契約書・領収書の印紙税額一覧と収入印紙が不要になる条件

業務委託契約書や領収書を作成する事業者向け。契約書にいくらの収入印紙が必要かと電子契約での非課税ルールを知りたい

著者: アキスケ

ひと言でわかる

印紙税は契約書の記載金額に応じて200円から数十万円まで課税され、電子契約や受取金額5万円未満の領収書は非課税となる

業務委託契約書や領収書を作成する事業者は、作成する書面に貼付すべき収入印紙の金額や非課税となる判断基準を正確に把握する必要があります。印紙税は契約書の記載金額に応じて200円から数十万円まで課税され、電子契約や受取金額5万円未満の領収書は非課税となります。

印紙税法において課税対象となる文書は文書の種類ごとに号別で区分されており、業務委託などの請負に関する契約書は第2号文書、金銭消費貸借契約書や土地賃貸借契約書などは第1号文書、金銭または有価証券の受取書や領収書は第17号文書として規定されています。作成する文書の表題が契約書や領収証であっても、記載された契約金額や受取金額の多寡によって納付すべき印紙税額が細かく変動します。

取引における書類作成では、契約金額の記載の有無や売上代金に該当するかどうかの区分により税額の判定が分かれます。正確な法令知識に基づき、作成する文書ごとの課税基準と非課税措置の適用条件を確認することが重要です。

請負に関する契約書の印紙税額は契約金額に応じて非課税から60万円まで課税される

国税庁の「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで(令和8年4月1日現在法令等)」によると、請負に関する契約書(第2号文書)は記載された契約金額が1万円未満の場合は非課税となり、1万円以上の場合は契約金額に応じて200円から60万円までの印紙税が課税されます。

第2号文書である請負に関する契約書には、工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、映画俳優専属契約書、請負金額変更契約書などが該当します。また、職業野球の選手、映画や演劇の俳優、監督、演出家、プロデューサー、プロボクサー、プロレスラー、音楽家、舞踊家、テレビジョン放送の演技者、演出家、プロデューサーが、その者としての役務の提供を約することを内容とする契約も請負に関する契約書に含まれます。

契約書を作成する際に契約金額の記載がない場合は、1通または1冊につき200円の印紙税額が適用されます。請負契約書を取り交わす際は、契約金額の表示方法や取引条件をフリーランスの支払い条件の基準と照らし合わせて明確にしておくことが求められます。

記載された契約金額 第2号文書(請負に関する契約書)の印紙税額
1万円未満(※) 非課税
1万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 1千円
300万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載のないもの 200円

※第2号文書と第3号文書から第17号文書とに該当する文書で第2号文書に所属が決定されるものは、記載された契約金額が1万円未満であっても非課税文書となりません。

なお、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される建設工事の請負に関する契約書のうち、契約書に記載された契約金額が一定額を超えるものについては、税率が軽減されています(コード7108「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」)。

不動産譲渡や金銭消費貸借に関する契約書の印紙税額は1万円未満なら非課税となる

国税庁の「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで(令和8年4月1日現在法令等)」によると、第1号文書に分類される契約書は、記載された契約金額が1万円未満の場合は非課税となり、1万円以上の場合は200円から60万円の印紙税が課税されます。

第1号文書には、不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書などの「不動産、鉱業権、試掘権、無体財産権、船舶もしくは航空機または営業の譲渡に関する契約書」が含まれます。ここでいう試掘権とは、二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和6年法律第38号)第2条第8項(定義)に規定する試掘権をいい、無体財産権とは、特許権、実用新案権、商標権、意匠権、回路配置利用権、育成者権、商号および著作権をいいます。

さらに、土地賃貸借契約書や土地賃料変更契約書などの「地上権または土地の賃借権の設定または譲渡に関する契約書」、金銭借用証書や金銭消費貸借契約書などの「消費貸借に関する契約書」、運送契約書や貨物運送引受書などの「運送に関する契約書」も第1号文書に該当します。運送に関する契約書には傭船契約書を含みますが、乗車券、乗船券、航空券および送り状は含まれません。

記載された契約金額 第1号文書の印紙税額
1万円未満(※) 非課税
1万円以上10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1千円
100万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載のないもの 200円

※第1号文書と第3号文書から第17号文書とに該当する文書で第1号文書に所属が決定されるものは、記載された契約金額が1万円未満であっても非課税文書となりません。

なお、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される不動産の譲渡に関する契約書のうち、契約書に記載された契約金額が一定額を超えるものについては、税率が軽減されています(コード7108「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」)。

領収書や受取書は記載された受取金額が5万円未満なら印紙税が非課税になる

国税庁の「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書(令和8年4月1日現在法令等)」によると、売上代金に係る金銭または有価証券の受取書は、記載金額が5万円未満の場合は非課税となり、5万円以上の場合は記載金額に応じて200円から2,000円以上の印紙税が課税されます。

金銭または有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭または有価証券の受取書」に該当します。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。したがって、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」、「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭または有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭または有価証券の受取書に該当します。

売上代金とは、資産を譲渡しもしくは使用させること(その資産に係る権利を設定することの対価を含みます。)または役務を提供することによる対価(手付けを含みます。)、すなわち何らかの給付に対する反対給付であることをいいます。事業運営で交付する証憑の作成ルールについては、請求書の書き方の内容と合わせて確認することが適正な事務処理につながります。

記載金額 売上代金の受取書(第17号文書)の税額
5万円未満のもの 非課税
5万円以上100万円以下のもの 200円
100万円を超え200万円以下のもの 400円
200万円を超え300万円以下のもの 600円
300万円を超え500万円以下のもの 1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 2,000円

受取金額が1,000万円を超える売上代金の受取書の税額は、コード7141「印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」を参照してください。また、消費税額等の区分記載による記載金額の取扱いについては、コード7124「消費税等の額が区分記載された契約書等の記載金額」に関連規定が定められており、税抜金額と消費税額の計算には消費税計算ツールを活用して確認できます。

売上代金以外の受取書は記載金額が5万円以上なら一律200円が課税される

国税庁の「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書(令和8年4月1日現在法令等)」によると、借入金や保険金などの売上代金以外の受取書は、記載金額が5万円未満なら非課税となり、5万円以上なら一律200円の印紙税が課税されます。

売上代金以外の受取書に該当するものとして、借入金、担保としての保証金、保険金や損害賠償金などが挙げられます。これらは資産の譲渡や役務の提供の対価ではないため、売上代金には該当しません。印紙税法に規定する「有価証券」とは、財産的価値のある権利を表彰する証券であって、その権利の移転、行使が証券をもってなされることを要するものをいい、金融商品取引法に定める有価証券に限りません。

また、営業に関しない金銭または有価証券の受取書は非課税となっています。ここでいう営業とは、一般通念による営業をいい、おおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことをいいます。したがって、株式会社などの営利法人や個人である商人の行為は営業になりますが、公益法人や商人以外の個人の行為は営業には当たりません(コード7125「営業に関しない受取書」)。経費支払に伴う領収書の受領管理や区分については、フリーランスの経費に関する手引きに沿って整理することが有効です。

記載金額 売上代金以外の受取書の税額
5万円未満のもの 非課税
5万円以上のもの 200円

売上代金に係る金額と売上代金以外の金額が記載された受取書については、その税率の適用に関して以下のように取り扱われます。

  • 金銭または有価証券の受取書の記載金額を、売上代金に係る金額とその他の金額とに区分することができるときは、売上代金に係る金額のみが記載金額となります。ただし、非課税文書である「記載された受取金額が50,000円未満の受取書」であるかどうかの判断は、売上代金に係る金額とその他の金額との合計額により行います。
  • 金銭または有価証券の受取書の記載金額を売上代金に係る金額とその他の金額とに区分することができないときは、その金額が売上代金に係る金額として受取書の記載金額となります。

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約束手形や株券等の文書は手形金額や券面金額に応じて印紙税額が定められている

国税庁の「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで(令和8年4月1日現在法令等)」によると、約束手形や為替手形(第3号文書)は手形金額が10万円未満なら非課税となり、10万円以上から手形金額に応じて200円から20万円が課税されます。

第3号文書である約束手形または為替手形においては、手形金額の記載のない手形は非課税となりますが、金額を補充したときは、その補充をした人がその手形を作成したものとみなされ、納税義務者となります。また、振出人の署名のない白地手形(手形金額の記載のないものは除きます。)で、引受人やその他の手形当事者の署名のあるものは引受人やその他の手形当事者がその手形を作成したことになります。なお、手形の複本または謄本は非課税です。

第3号文書のうち、(1)一覧払のもの、(2)金融機関相互間のもの、(3)外国通貨で金額を表示したもの、(4)非居住者円表示のもの、(5)円建銀行引受手形については、記載された手形金額が10万円未満は非課税、10万円以上は一律200円となります。

記載された手形金額 第3号文書(手形)の印紙税額
10万円未満 非課税
10万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 600円
300万円を超え500万円以下 1千円
500万円を超え1千万円以下 2千円
1千万円を超え2千万円以下 4千円
2千万円を超え3千万円以下 6千円
3千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 2万円
1億円を超え2億円以下 4万円
2億円を超え3億円以下 6万円
3億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 15万円
10億円を超えるもの 20万円

株券、出資証券もしくは社債券または投資信託、貸付信託、特定目的信託もしくは受益証券発行信託の受益証券(第4号文書)は、記載された券面金額が500万円以下なら200円、500万円を超え1千万円以下なら1千円、1千万円を超え5千万円以下なら2千円、5千万円を超え1億円以下なら1万円、1億円を超えるものは2万円の印紙税が課税されます。出資証券には投資証券を含みます。

株券については、1株当たりの払込金額に株数を掛けた金額を券面金額とします。払込金額がない場合にあっては、資本金の額および資本準備金の額の合計額を発行済株式(当該発行する株式を含む。)の総数で割った金額に株数をかけた金額を券面金額とします。非課税文書には、1.日本銀行その他特定の法人の作成する出資証券、2.譲渡が禁止されている特定の受益証券、3.一定の要件を満たしている額面株式の株券の無効手続に伴い新たに作成する株券があります。

電子契約での締結や被災者向けの特例措置が適用される場合は印紙税が非課税になる

印紙税は書面の文書作成に対して課税される税目であるため、電子契約により電磁的記録として作成・締結された契約書や領収書には課税されず非課税となります。

また、災害により被害を受けた場合には税制上の非課税措置が設けられています。東日本大震災により被害を受けられた方が作成する契約書等については、印紙税が非課税とされる場合があります。詳しい手続については、「東日本大震災により被害を受けられた方が作成する契約書等に係る印紙税の非課税措置について」および「東日本大震災に関する税制上の追加措置について(印紙税関係)」に規定されています。

さらに、平成28年4月1日以後に発生した自然災害等により被害を受けられた方が作成する契約書等についても、印紙税が非課税とされる場合があります。詳細は「自然災害等により被害を受けられた方が作成する契約書等に係る印紙税の非課税措置について」に定められています。

よくある質問

業務委託契約書に記載する金額が1万円未満の場合は収入印紙が必要ですか?

記載された契約金額が1万円未満の請負に関する契約書(第2号文書)は非課税となるため、収入印紙を貼る必要はありません。

ただし、第2号文書と第3号文書から第17号文書とに該当する文書で第2号文書に所属が決定されるものについては、記載された契約金額が1万円未満であっても非課税文書とはならない規定が設けられています。

領収書に記載された金額が5万円ちょうどの場合は印紙税が課税されますか?

売上代金の受取書に記載された金額が5万円の場合は「5万円以上100万円以下」の区分に該当するため、200円の印紙税が課税されます。

非課税となるのは記載金額が5万円未満のものに限られます。50,000円ちょうどの受取書を作成・交付する際は200円の収入印紙の貼付が必要です。

契約金額の記載がない請負契約書の印紙税額はいくらになりますか?

契約金額の記載のない請負に関する契約書(第2号文書)の印紙税額は、1通または1冊につき200円となります。

第1号文書(不動産譲渡や金銭消費貸借など)についても同様に、契約金額の記載のないものは1通または1冊につき200円の印紙税が課税されます。

借入金の受取書や担保としての保証金の受取書は売上代金に該当しますか?

借入金や担保としての保証金の受取書は、資産の譲渡や役務の提供の対価ではないため売上代金には該当しません。

売上代金以外の受取書として扱われるため、受取金額が5万円未満の場合は非課税となり、5万円以上の場合は一律200円の印紙税が課税されます。

営業に関しない個人の受取書は印紙税の課税対象になりますか?

商人以外の個人が作成する営業に関しない金銭または有価証券の受取書は、受取金額の多寡にかかわらず非課税となります。

印紙税法における営業とはおおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことを指し、株式会社などの営利法人や個人である商人の行為は営業に当たりますが、商人以外の個人の行為は営業に該当しません。

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