住宅ローン控除の適用要件と控除額の計算方法
住宅購入を検討中または確定申告をする人向け。住宅ローン控除の条件と戻ってくる金額を知りたい
ひと言でわかる
住宅ローン控除は年末のローン残高に対して年0.7%が最長13年間所得税等から控除される制度である
マイホームの新築や取得、増改築等を検討しており、所得税の負担を軽減するための税額控除制度の適用要件を確認したいと考えている個人の方は多く存在します。個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得または増改築等をした場合には、住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する制度の適用を受けることができます。
国税庁の定めにおいて、マイホームの新築や取得等に係る所得税の税額控除には「住宅借入金等特別控除」および「特定増改築等住宅借入金等特別控除」が設けられています。これらの制度は、一定の要件を満たす場合に各年分の所得税額から所定の計算に基づく控除額を直接差し引くことができる仕組みです。
住宅ローン等を利用しない場合であっても、既存住宅に対する特定の改修工事や認定住宅等の新築等を行ったときは、所得税額から一定額を控除する別の税額控除制度が整備されています。住宅の取得形態や工事の種類、居住を開始した時期に応じて適用される規定が細かく区分されています。
マイホームの新築、取得、増改築等を行う個人が適切な税制上の優遇措置を受けるためには、法令等に基づく区分や手続きの要件を正しく把握することが不可欠です。住宅ローン控除をはじめとする制度の概要と適用関係を整理し、正確な申告手続きを行うことが求められます。
マイホームの取得等で所得税額から控除を受けるための基本要件とは
個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得または増改築等(以下「取得等」といいます。)をした場合で、一定の要件を満たすときは、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する「住宅借入金等特別控除」または「特定増改築等住宅借入金等特別控除」の適用を受けることができます。この取扱いは、令和7年4月1日現在法令等において所得税を対象税目として定められています。
住宅借入金等特別控除の対象となる行為は、マイホームの新築、取得、または増改築等です。個人が自らの居住の用に供する住宅を取得等するために住宅ローン等を利用した場合に適用対象となり得ます。
控除額の算出においては、住宅ローン等の年末残高の合計額等が基礎として用いられます。算出された金額は、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除されるため、所得税計算において税額そのものを直接減少させる効果を持ちます。
住宅借入金等特別控除等の制度は、租税特別措置法などの法令に基づいて運用されています。関係する根拠法令等としては、措法41、41の19の2、41の19の3、41の19の4、旧措法41の3の2、震災特例法13、13の2などが挙げられます。
住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、住宅の新築、取得、増改築等を行った上で、実際に居住の用に供していることが前提条件となります。適用を受ける年分ごとに必要な書類を整え、所定の申告手続きを行う必要があります。
令和4年以降に居住の用に供した場合における住宅区分と適用コードの違いとは
住宅の新築や取得等を行い、令和4年以降に居住の用に供した場合における住宅借入金等特別控除は、住宅の種類や取得方法ごとに個別のタックスアンサーコードで区分されています。国税庁のタックスアンサーでは、新築住宅のほか、買取再販住宅、中古住宅、増改築等、要耐震改修住宅の取得に応じた詳細な説明が提供されています。
令和4年以降に居住の用に供した場合、新築住宅の取得等についてはコード1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」が適用区分となります。既存の住宅を事業者が改修して販売する住宅を取得した場合は、コード1211-2「買取再販住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」に該当します。
中古住宅を取得した場合については、コード1211-3「中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」が定められています。マイホームに対して増築や改築等の工事を行った場合には、コード1211-4「増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」として取り扱われます。
耐震基準に適合しない要耐震改修住宅を取得した上で改修を行う場合には、コード1211-5「要耐震改修住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」の区分が設けられています。取得する住宅の現状や工事の内容に応じて、確認すべき要件が分かれています。
| 適用区分 | 居住開始時期 | タックスアンサーコード | 対象となる住宅および工事の概要 |
|---|---|---|---|
| 住宅の新築等 | 令和4年以降 | コード1211-1 | マイホームを新築した場合または新築住宅を取得した場合 |
| 買取再販住宅の取得 | 令和4年以降 | コード1211-2 | 一定の要件を満たす買取再販住宅を取得した場合 |
| 中古住宅の取得 | 令和4年以降 | コード1211-3 | 既存の中古住宅を取得した場合 |
| 増改築等 | 令和4年以降 | コード1211-4 | 所有するマイホームについて増築や改築等の工事をした場合 |
| 要耐震改修住宅の取得 | 令和4年以降 | コード1211-5 | 要耐震改修住宅を取得して一定の措置を講じる場合 |
令和4年以降にマイホームを取得または増改築して居住を始めた場合は、表に示した各区分のいずれに該当するかを特定することが手続きの基準となります。区分ごとに定められた個別の要件を満たしているか確認することが必要です。
令和3年までに居住の用に供した場合における住宅借入金等特別控除の区分とは
住宅の新築や取得等を行い、令和3年までに居住の用に供した場合における住宅借入金等特別控除は、令和4年以降に居住を開始した場合とは異なるタックスアンサーコードによって区分されています。居住を開始した時期が令和3年以前である場合には、当時の法令に基づく要件および区分が適用されます。
令和3年までに居住の用に供した場合の新築住宅等については、コード1212「住宅の新築等をし、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」が定められています。認定住宅の新築等を行った場合には、コード1213「認定住宅の新築等をし、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」の区分が適用されていました。
中古住宅を取得して令和3年までに居住の用に供した場合は、コード1214「中古住宅を取得し、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」が該当します。また、耐震改修が必要な住宅を取得して耐震改修を行い令和3年までに居住した場合は、コード1215「要耐震改修住宅を取得して耐震改修を行い、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」に区分されます。
マイホームの増改築等を行い令和3年までに居住の用に供した場合には、コード1216「増改築等をし、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」が適用されます。居住の用に供した年分が令和3年以前であるか令和4年以降であるかによって、参照すべきコードと適用要件が整理されています。
住宅ローンを利用しない場合でも所得税額の控除を受けられる改修工事と認定住宅とは
住宅ローン等を利用しない場合であっても、個人が既存住宅について一定の要件を満たす(1)住宅耐震改修をしたとき、(2)バリアフリー改修工事や省エネ改修工事、多世帯同居改修工事、子育て対応改修工事、耐久性向上改修工事(住宅耐震改修や省エネ改修工事を併せて行うものに限ります。)をしたときまたは(3)認定住宅等の新築等をしたときは、それぞれ所定の方法で計算した金額を、その年分の所得税額から控除する「住宅耐震改修特別控除」、「住宅特定改修特別税額控除」または「認定住宅等新築等特別税額控除」の適用を受けることができます。
既存住宅の耐震改修工事を自己資金等で行った場合には、コード1222「耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)」に基づき所得税額からの控除を受けることが可能です。耐震性能を向上させる一定の工事が対象となります。
既存住宅に対する特定の改修工事を行った場合には、「住宅特定改修特別税額控除」の適用対象となります。具体的には、省エネ改修工事(コード1219)、バリアフリー改修工事(コード1220)、多世帯同居改修工事(コード1224)、子育て対応改修工事(コード1228)が規定されています。耐久性向上改修工事(コード1227)については、住宅耐震改修や省エネ改修工事を併せて行うものに限って適用を受けることができます。
認定住宅等の新築等を行った場合には、コード1221「認定住宅等の新築等をした場合(認定住宅等新築等特別税額控除)」が設けられています。住宅ローン等の借入金の有無にかかわらず、一定の認定住宅等を新築等した個人が所定の税額控除を受けることができます。
| 特別控除の名称 | 対象となる工事・取得の内容 | 適用における条件・制限 | タックスアンサーコード |
|---|---|---|---|
| 住宅耐震改修特別控除 | 耐震改修工事 | 個人が既存住宅について住宅耐震改修をした場合 | コード1222 |
| 住宅特定改修特別税額控除 | 省エネ改修工事 | 一定の要件を満たす省エネ改修をした場合 | コード1219 |
| 住宅特定改修特別税額控除 | バリアフリー改修工事 | 一定の要件を満たすバリアフリー改修をした場合 | コード1220 |
| 住宅特定改修特別税額控除 | 多世帯同居改修工事 | 一定の要件を満たす多世帯同居改修をした場合 | コード1224 |
| 住宅特定改修特別税額控除 | 耐久性向上改修工事 | 住宅耐震改修や省エネ改修工事を併せて行うものに限る | コード1227 |
| 住宅特定改修特別税額控除 | 子育て対応改修工事 | 一定の要件を満たす子育て対応改修をした場合 | コード1228 |
| 認定住宅等新築等特別税額控除 | 認定住宅等の新築等 | 個人が認定住宅等の新築等をした場合 | コード1221 |
住宅の取得や改修において借入金を利用するか自己資金等で充当するかにより、適用できる税額控除の枠組みが異なります。資金計画を検討する際には、住宅ローン計算ツール等を活用して借入の有無や返済計画を確認しつつ、適用対象となる税額控除制度の要件を比較検討することが有効です。
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特定増改築等住宅借入金等特別控除は令和4年以後の居住でも受けられるか
令和4年以後に住宅ローン等を利用し、特定の増改築等を行い居住の用に供した場合には、特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けることができません。この取扱いは、国税庁タックスアンサーNo.1210の注1において明確に定められています。
借入金を利用して特定の改修工事を行った場合に適用されていた「特定増改築等住宅借入金等特別控除」には、省エネ改修工事(コード1217)、バリアフリー改修工事(コード1218)、多世帯同居改修工事(コード1223)などの区分が存在していました。これらは令和3年までに居住の用に供した場合を対象とした区分となっています。
令和4年以降に居住の用に供した増改築等については、コード1211-4「増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」などの規定に基づき、住宅借入金等特別控除としての適用関係を確認することになります。
個人事業主やフリーランスの方などが自宅の改修工事に伴う所得税の控除を検討する場合には、青色申告などの決算手続きと並行して、居住開始年に応じた適用制度の違いを正確に把握しておく必要があります。
災害や東日本大震災によりマイホームが被災した場合の特例措置とは
災害によりマイホームが被害を受けた場合で、一定の要件を満たすときは、住宅借入金等特別控除および特定増改築等住宅借入金等特別控除に関する特例の適用を受けることができます。被災によってマイホームに居住できなくなった場合や、被災者が住宅を再取得する場合に対応する措置が定められています。
国税庁が公表している災害関係の特例には、以下の区分が設けられています。
- 災害により(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合(コード8013「災害により被害を受けたときの住宅借入金等特別控除の適用期間の特例等」)
- 東日本大震災によって(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合(東日本大震災により被害を受けられた個人の方へ(住宅借入金等特別控除の特例))
- 東日本大震災の被災者の住宅の再取得等の場合(東日本大震災に関する税制上の追加措置について(所得税関係)および東日本大震災に関する税制上の追加措置について(平成24年度及び平成25年度の税制改正による所得税(譲渡所得関係を除く)の追加措置))
災害により被害を受けた場合の特例措置は、震災特例法13、13の2などの根拠法令に基づいて運用されています。マイホームが被害を受け居住を継続できなくなった場合であっても、一定の要件のもとで控除の適用期間に関する特別な措置が講じられます。
被害を受けた個人がこれらの特例の適用を受けるためには、被災状況や取得時期に応じた所定の手続きと申告が必要となります。具体的な適用要件や必要書類については、関係リンク先の案内を確認することが重要です。
確定申告書等作成コーナーを活用した税額計算書や明細書の作成手順とは
住宅借入金等特別控除や各種の改修工事に係る税額控除の適用を受けるための申告書は、国税庁ウェブサイトの「確定申告書等作成コーナー」を利用して作成することができます。画面の案内に沿って金額等を入力することにより、自宅等で確定申告書等の作成および提出が可能です。
住宅借入金等特別控除の適用にあたっては、申告書本体のほかに付表や税額計算書、明細書が必要となりますが、確定申告書等作成コーナーを利用して入力を行うことで、必要な付表や明細書も自動的に作成されます。手動による複雑な計算や様式作成の手間を省き、正確な申告書一式を整えることができます。
国税庁のウェブサイトでは、「確定申告書等の様式・手引き等」や「申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)」などのパンフレットや手引きが公開されています。また、制度の解釈や個別ケースの取り扱いについては「住宅ローン控除」に関連する質疑応答事例も掲載されています。
税額控除の手続きや適用要件に関して不明な点がある場合には、国税局電話相談センター等で国税に関する電話相談が実施されています。最寄りの税務署または税についての相談窓口を通じて電話相談を利用し、適用要件を確認しながら確定申告の手続きを進めることが推奨されます。
よくある質問
住宅ローンを利用しない場合でも所得税額の控除を受けることはできますか?
住宅ローン等を利用しない場合であっても、個人が既存住宅について一定の要件を満たす住宅耐震改修、バリアフリー改修工事、省エネ改修工事、多世帯同居改修工事、子育て対応改修工事、耐久性向上改修工事をしたとき、または認定住宅等の新築等をしたときは、所得税額からの控除を受けることができます。
これらの制度は「住宅耐震改修特別控除」「住宅特定改修特別税額控除」「認定住宅等新築等特別税額控除」として規定されており、所定の方法で計算した金額がその年分の所得税額から控除されます。ただし、耐久性向上改修工事については、住宅耐震改修や省エネ改修工事を併せて行うものに限られます。
令和4年以後に特定の増改築等を行った場合でも特定増改築等住宅借入金等特別控除は受けられますか?
令和4年以後に住宅ローン等を利用し、特定の増改築等を行い居住の用に供した場合には、特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けることができません。
令和4年以降に居住の用に供した増改築等については、コード1211-4に定められた住宅借入金等特別控除の要件を確認する必要があります。居住を開始した年分が令和3年までであるか令和4年以降であるかによって適用される制度区分が異なります。
災害によってマイホームに住めなくなった場合でも住宅借入金等特別控除の特例はありますか?
災害により住宅借入金等特別控除等の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合には、一定の要件を満たすことで適用期間の特例等の適用を受けることができます。
国税庁では、コード8013「災害により被害を受けたときの住宅借入金等特別控除の適用期間の特例等」や、東日本大震災によって被害を受けた場合の特例、被災者の住宅再取得等に関する追加措置などを設けています。これらは震災特例法13、13の2などの法令に基づき運用されています。
令和4年以降に中古住宅や買取再販住宅を取得した場合の適用区分コードは何ですか?
令和4年以降に居住の用に供した場合、買取再販住宅の取得についてはコード1211-2、中古住宅の取得についてはコード1211-3が該当します。
新築住宅の取得等についてはコード1211-1、増改築等についてはコード1211-4、要耐震改修住宅の取得についてはコード1211-5がそれぞれ定められています。なお、令和3年までに居住の用に供した中古住宅の取得についてはコード1214が区分されています。
住宅ローン控除の申告に必要な付表や税額計算書はどのように作成すればよいですか?
国税庁ウェブサイトの「確定申告書等作成コーナー」を利用することで、画面の案内に沿って金額等を入力することにより、自宅等で申告書とともに必要な付表や明細書を自動的に作成することができます。
申告書や付表の様式・手引き等は国税庁サイトの「申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)」等にも掲載されています。手続きや入力内容に不明な点がある場合は、国税局電話相談センター等の電話相談窓口を利用して相談することが可能です。
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