freee vs 弥生 vs マネーフォワード — フリーランスにおすすめの会計ソフト比較
3大クラウド会計ソフトの料金・機能・操作性を一覧比較。確定申告に本当に使えるのはどれか、実体験をもとに解説します。
1. フリーランスに会計ソフトは必要か
結論から言えば、青色申告をするなら会計ソフトはほぼ必須です。
青色申告特別控除の最大65万円を受けるには、複式簿記による帳簿の作成が条件になっています。仕訳帳・総勘定元帳・貸借対照表・損益計算書を手作業で管理するのは、簿記の知識があっても相当な手間がかかります。
白色申告であれば帳簿は単式簿記で済みますが、その場合、青色申告特別控除は適用されません。年間の課税所得が300万円であれば、65万円の控除の有無で所得税・住民税・国民健康保険料を合わせて年間20万円以上の差が出ることもあります。
現在は3大クラウド会計ソフト(freee・やよい・マネーフォワード)が普及しており、銀行口座やクレジットカードとの自動連携で仕訳の大半を自動化できます。確定申告書類の作成からe-Tax送信まで一貫して対応しているため、会計ソフトなしで青色申告を行うメリットはほとんどありません。
2. 3社比較一覧表
freee・やよい・マネーフォワードの主要項目を一覧で比較します。
| 項目 | freee | やよい青色申告オンライン | マネーフォワードクラウド |
|---|---|---|---|
| 月額料金 | 1,480円〜/月 | 初年度無料〜、2年目8,800円〜/年 | 1,078円〜/月 |
| 無料体験 | 30日間 | 初年度無料プランあり | 1ヶ月 |
| 銀行連携 | 対応(自動取込) | 対応(自動取込) | 対応(自動取込) |
| スマホアプリ | iOS/Android | iOS/Android | iOS/Android |
| 確定申告書作成 | 対応 | 対応 | 対応 |
| e-Tax連携 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 電話サポート | 上位プランのみ | 全プランで対応 | 上位プランのみ |
| 操作性 | 初心者向けUI | 簿記知識があると使いやすい | 中級者向け |
| 法人対応 | freee会計(法人版あり) | 弥生会計オンライン | MFクラウド会計 |
3. freee会計の特徴
freeeは「簿記の知識がなくても使える」をコンセプトに設計されたクラウド会計ソフトです。フリーランスや小規模事業者の利用者が多く、スマートフォン対応が最も充実しています。
メリット
- スマホ対応が最も充実 — レシート撮影から自動仕訳まで、スマホだけで完結できる場面が多い
- UIが直感的 — 「取引」という概念で入力するため、借方・貸方を意識しなくても帳簿がつけられる
- 銀行・クレジットカード連携 — 対応金融機関が多く、自動取込で仕訳の手間を削減
- 確定申告はガイド付き — 質問に答えていくだけで申告書類が完成する
デメリット
- 電話サポートは上位プラン(スタンダード以上)のみ
- 独自の用語体系(「取引」「口座」など)に慣れが必要。他の会計ソフトや簿記の教科書とは用語が異なる
- 仕訳の細かい修正は、簿記の知識がないと戸惑う場面もある
料金プラン(個人事業主向け)
| プラン | 月額 | 主な機能 |
|---|---|---|
| スターター | 1,480円/月 | 確定申告・経費精算・銀行連携 |
| スタンダード | 2,680円/月 | スターター機能 + 電話サポート・消込機能 |
4. やよい青色申告オンラインの特徴
弥生は会計ソフトの老舗で、個人事業主向けクラウド会計ではシェアNo.1です。25年以上の実績があり、税理士・会計事務所との連携にも強みがあります。
メリット
- 初年度無料プランあり — セルフプランなら1年間無料で全機能を試せる。コストを抑えたい開業初期に最適
- 全プランで電話サポート対応 — 初心者にとって心強い。チャット・メールサポートも充実
- シェアNo.1の安心感 — 利用者数が最も多く、使い方の情報がネット上に豊富
- 簿記の知識がある人には親和性が高い — 従来の会計ソフトの操作感に近い設計
デメリット
- UIがやや古めの印象。freeeほどモダンではない
- スマホアプリはあるが、PCでの操作が前提になっている機能が多い
- 2年目以降は有料になるため、初年度無料で始めたあとの料金に注意
料金プラン(個人事業主向け)
| プラン | 初年度 | 2年目以降 | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| セルフ | 無料 | 年8,800円 | 全機能利用可・電話サポートなし |
| ベーシック | 半額 | 年13,800円 | 全機能 + 電話・メール・チャットサポート |
| トータル | 半額 | 年24,000円 | ベーシック + 業務相談(仕訳・確定申告の相談) |
5. マネーフォワードクラウドの特徴
マネーフォワードは家計簿アプリ「マネーフォワードME」で知られる企業が提供するクラウド会計ソフトです。個人の家計管理から事業の会計まで、お金の流れを一元管理できる点が特徴です。
メリット
- マネーフォワードMEとの連携 — 家計簿アプリのデータを活用でき、事業とプライベートの資金を一元管理しやすい
- 仕訳ルール学習の精度が高い — 使い続けるほど自動仕訳の精度が上がる
- 周辺サービスが充実 — 請求書・経費精算・給与計算・社会保険手続きなど、バックオフィス業務全般をカバー
- 法人化後もスムーズに移行 — 個人事業主版から法人版への切り替えがしやすい
デメリット
- 機能が多いぶん、初心者には設定項目が多く感じることがある
- 電話サポートは上位プランのみ
- 無料体験期間は1ヶ月で、弥生の初年度無料と比べると短い
料金プラン(個人事業主向け)
| プラン | 月額 | 主な機能 |
|---|---|---|
| パーソナルミニ | 1,078円/月 | 確定申告・経費精算・銀行連携(基本機能) |
| パーソナル | 1,408円/月 | パーソナルミニ + 請求書・経費精算・消込 |
6. こんな人にはこのソフト
3社の特徴を踏まえて、タイプ別のおすすめをまとめます。
freeeがおすすめの人
- 簿記の知識がない初心者
- スマホで経理作業を完結させたい人
- 開業したてのフリーランスで、とにかく手軽に始めたい人
やよいがおすすめの人
- コストを抑えたい人(初年度無料で始められる)
- 電話サポートが欲しい人(全プラン対応)
- 簿記の基礎知識がある人、または簿記を学びながら使いたい人
- 税理士事務所が弥生を使っている人
マネーフォワードがおすすめの人
- マネーフォワードME(家計簿アプリ)を既に使っている人
- 将来の法人化を見据えている人
- 請求書・経費精算・給与計算など、複数の業務を一元管理したい人
7. よくある質問
Q. フリーランスに会計ソフトは本当に必要ですか?
青色申告で65万円控除を受けるには複式簿記が必要です。手作業での記帳は現実的でないため、会計ソフトはほぼ必須といえます。白色申告なら不要ですが、節税効果が大幅に下がります。
Q. 無料で使える会計ソフトはありますか?
やよい青色申告オンラインのセルフプランは初年度無料で利用できます。freeeとマネーフォワードも1ヶ月の無料体験期間があります。
Q. 確定申告だけに使う場合、どれが安いですか?
弥生のセルフプラン(初年度無料、2年目以降は年8,800円)が最安です。ただし電話サポートは付きません。
Q. 白色申告でも会計ソフトは必要ですか?
白色申告は帳簿が簡単なのでExcelでも対応可能です。ただし節税効果が大幅に下がるため、青色申告と会計ソフトの組み合わせを推奨します。
Q. 会計ソフトを途中で乗り換えられますか?
可能です。各社にデータのインポート機能があります。ただし年度の途中で乗り換える場合は仕訳の整合性に注意が必要です。できれば年度の切り替わりでの移行を推奨します。
Q. インボイス制度に対応していますか?
freee・弥生・マネーフォワードの3社とも、適格請求書(インボイス)の作成・管理に対応済みです。
Q. 法人化したら会計ソフトは変えるべきですか?
3社とも法人版があるので、同じサービス内で移行できます。freee会計、弥生会計オンライン、MFクラウド会計がそれぞれ法人対応しています。
8. 関連ツール・ガイド
- 確定申告ガイド — 確定申告の流れを全解説
- フリーランスの経費一覧ガイド — 経費の分類と注意点
- 所得税 計算ツール — 年収から所得税を即計算
- 経費率 業種別目安計算 — 自分の経費率が適正か確認
- 手取り計算シミュレーター — 手取り額をシミュレーション