国民年金の2年前納とは?令和8年度の納付額と割引・手続き

個人事業主・フリーランス。国民年金の前納を検討している第1号被保険者が、方法別の差と手続きを確認するためのガイド

著者: アキスケ

ひと言でわかる

国民年金保険料を2年度分まとめて納付する制度で、納付方法によって納付額と割引額が異なります。手続き時期と資金繰りを確認して選びます。

国民年金保険料の納付負担を軽減したいと考えながら、毎月の納付書払いや口座振替を継続している個人事業主やフリーランスの方は少なくありません。国民年金保険料の2年前納は、2年度分の保険料をまとめて納付することで割引が適用される制度であり、口座振替やクレジットカード納付、納付書(現金)納付といった納付方法によって納付額と割引額が異なります。

日本年金機構の案内によると、国民年金保険料の2年前納を利用した場合、毎月納付する場合に比べて2年間で16,000円程度割引されます。令和8年度における口座振替の2年前納割引額は17,370円、現金およびクレジットカード納付の2年前納割引額は16,010円と定められています。

国民年金の納付方法を選択する際は、割引額の大きさだけでなく、納付手続きの時期や口座振替の自動更新の仕組み、まとまった支払いに伴う資金繰りの状況を事前に確認しておくことが求められます。社会保険料の負担額を把握したい場合は、社会保険料計算ツールを活用して支出を整理することも可能です。

国民年金保険料の2年前納を利用するには、所定の申出書を用いた事前の届出手続きが必要です。納付方法ごとに受付時期や提出窓口、提出期限が異なっているため、手続きの全体像を正確に把握して進める必要があります。

国民年金保険料の2年前納とはどのような制度か

国民年金保険料の2年前納制度とは、2年度分の国民年金保険料を一括して前払いすることにより、毎月納付する場合と比べて保険料の割引が受けられる制度です。日本年金機構が窓口となって運営しており、口座振替、クレジットカード納付、納付書(現金)納付の3つの方法で利用することができます。

2年前納を利用した場合、毎月納付する場合と比較して2年間で16,000円程度の割引を受けることができます。令和8年度の国民年金保険料は月額17,920円、令和9年度の国民年金保険料は月額18,290円と定められており、2年度分を毎月納付した場合の合計額は434,520円となります。

2年度分の保険料総額である434,520円の計算根拠は、(令和8年度保険料17,920円×12カ月)+(令和9年度保険料18,290円×12カ月)=434,520円です。2年前納を利用することで、この総額434,520円から各納付方法に応じた所定の割引額が差し引かれた金額を納付することになります。

公的な年金制度におけるご自身の加入記録や納付状況を確認したい場合は、ねんきんネットの見方を参照することで、これまでの記録を確認することができます。

口座振替による2年前納の保険料額と割引額はいくらか

口座振替による国民年金保険料の2年前納における納付額は417,150円であり、毎月納付と比較した割引額は17,370円となります。口座振替による納付は、現金やクレジットカード納付と比較して割引額が最も大きく設定されています。

口座振替による2年前納の割引額17,370円は、令和8年度と令和9年度の毎月納付総額である434,520円から差し引かれます。計算式は「434,520円-17,370円=417,150円」となります。実際に口座から引き落とされる金額は、日本年金機構から送付される「国民年金保険料口座振替額通知書」で確認することができます。

口座振替には2年前納のほかに、1年前納、6カ月前納、当月末振替(早割)といった前納制度が用意されています。それぞれの前納期間に応じて割引額が設定されており、資金計画に応じた選択が可能です。

納付方法(口座振替) 前納区分 令和8年度 納付額 割引額(毎月納付との比較)
口座振替 2年前納 417,150円 17,370円
口座振替 1年前納 210,530円 4,510円
口座振替 6カ月前納 106,300円 1,220円
口座振替 当月末振替(早割) 17,860円 60円
口座振替 毎月納付 17,920円 ー

口座振替の前納制度では、前納期間が長くなるほど割引額が大きくなる設定となっています。令和8年度の1年前納では納付額210,530円に対して4,510円が割引され、6カ月前納では納付額106,300円に対して1,220円が割引されます。当月末振替(早割)の場合は月額17,860円となり、毎月納付の17,920円から60円が割引されます。

クレジットカード納付と現金納付の保険料額と割引額はいくらか

クレジットカード納付および現金(納付書)納付による国民年金保険料の2年前納における納付額は418,510円であり、毎月納付と比較した割引額は16,010円となります。クレジットカード納付と現金納付の保険料額および割引額は同じ金額に設定されています。

クレジットカード納付および現金納付の2年前納における割引額16,010円は、2年度分の保険料総額434,520円から差し引かれます。計算式は「434,520円-16,010円=418,510円」となります。実際にクレジットカードで立替納付される金額は、日本年金機構から送付される「国民年金保険料クレジット納付額通知書」で確認することができます。

現金およびクレジットカード納付においても、2年前納のほかに1年前納や6カ月前納を選択することができます。それぞれの前納期間における納付額と割引額は以下の通りです。

納付方法(現金・クレジットカード) 前納区分 令和8年度 納付額 割引額(毎月納付との比較)
納付書払い / クレジットカード払い 2年前納 418,510円 16,010円
納付書払い / クレジットカード払い 1年前納 211,220円 3,820円
納付書払い / クレジットカード払い 6カ月前納 106,650円 870円
納付書払い / クレジットカード払い 毎月納付 17,920円 ー

現金およびクレジットカード納付における令和8年度の納付額は、1年前納が211,220円で割引額が3,820円、6カ月前納が106,650円で割引額が870円となっています。毎月納付の17,920円と比較した場合、前納期間が長くなるほど割引額が増加します。なお、現金およびクレジットカード納付には当月末振替(早割)の区分はありません。

付加保険料を前納する場合の保険料額と割引額はどうなるか

付加保険料を2年前納する場合の納付額は、口座振替が9,220円で割引額380円、納付書払いおよびクレジットカード払いが9,250円で割引額350円となります。付加保険料の毎月納付額は400円と定められており、付加保険料についても前納による割引が適用されます。

付加保険料とは、国民年金保険料に月額400円を上乗せして納付する保険料です。付加保険料を前納する場合も、口座振替、納付書払い、クレジットカード払いの各納付方法に応じて、6カ月前納、1年前納、2年前納の区分ごとに割引額が計算されます。

付加保険料の前納における納付方法別・区分別の納付額と割引額の一覧は以下の通りです。

前納区分 口座振替 納付額(令和8年度) 口座振替 割引額 納付書 / クレジット 納付額(令和8年度) 納付書 / クレジット 割引額
2年前納 9,220円 380円 9,250円 350円
1年前納 4,700円 100円 4,710円 90円
6カ月前納 2,370円 30円 2,380円 20円
当月末振替(早割) 400円 ー ー ー
毎月納付 400円 ー 400円 ー

口座振替による付加保険料の前納では、1年前納が4,700円で割引額100円、6カ月前納が2,370円で割引額30円となります。納付書払いおよびクレジットカード払いでは、1年前納が4,710円で割引額90円、6カ月前納が2,380円で割引額20円となります。口座振替の当月末振替(早割)における付加保険料の納付額は400円であり、割引は適用されません。

口座振替で2年前納を申し込む手続きの流れとは

口座振替による2年前納の手続きは、オンラインでの電子申請または書面による提出のいずれかの方法で行います。手続きを行う窓口や利用する申請方法によって提出先や必要書類が異なります。

オンラインで手続きを行う場合は、マイナポータルを経由して「ねんきんネット」から電子申請を行います。具体的な手続きは「口座振替納付(変更)申出書 兼 還付金振込方法(変更)申出書の電子申請」から実施し、マイナポータルからの利用登録が必要となります。

書面で手続きを行う場合は、「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書 兼 還付金振込方法(変更)申出書」に必要事項を記入します。記入した申出書は、預貯金口座をお持ちの金融機関(郵便局を含む)の窓口、または年金事務所に提出します。郵送にて年金事務所に提出することも可能です。

口座振替の手続きを行う際の注意点として、街角の年金相談センターではお手続きができません。また、口座振替のお申し込みには基礎年金番号の記入が必要となるため、基礎年金番号通知書や年金手帳、納付書で基礎年金番号を確認した上で、金融機関届出印を押印して提出します。

口座振替による2年前納を一度申し込みすると、辞退の申出がない限り、次回以降も自動的に2年分の保険料が口座振替されます。郵送の場合は郵便物の到着までに日数がかかるため、早めの投函が必要です。

国民年金保険料などの支払いや社会保険料控除の申告をはじめ、税務上の申告手続き全体について確認したい場合は、確定申告の手続きを確認しておくことも大切です。

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クレジットカード納付で2年前納を申し込む手続きの流れとは

クレジットカード納付による2年前納の手続きは、「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」に必要事項を記入して年金事務所に提出します。年金事務所の窓口へ直接提出するほか、郵送で年金事務所に提出することもできます。

クレジットカード納付の手続き書類は、街角の年金相談センターではお手続きができません。申出書の提出先は年金事務所となります。申出書の様式は日本年金機構のホームページにある「ケース8:国民年金保険料をクレジットカードで支払うとき(やめるとき)、使用するクレジットカードや納付方法を変更するとき」からダウンロードできます。

クレジットカード納付による2年前納を一度申し込みすると、辞退の申出がない限り、次回以降も自動的に2年分の保険料が立替納付されます。そのため、次回以降の前納時に改めて申出書を提出し直す必要はありません。

郵送で申出書を提出する場合は、郵便物の到着までに日数がかかるため、早めの投函が必要です。実際にクレジットカードで立替納付される金額は、送付される「国民年金保険料クレジット納付額通知書」で確認します。

現金納付(納付書)で2年前納を申し込む手続きと納付期限とは

現金(納付書)による2年前納は、毎年2月1日から年金事務所で事前受付が開始され、申出書を3月末までに提出した上で、4月以降に送付される納付書を用いて納付します。お支払い期限は4月末(土日祝日の場合は翌営業日)までとなっています。

現金による2年前納を希望する場合は、年金事務所へ申し出ることで「国民年金保険料2年前納納付書発行事前受付申出書(兼納付書作成処理票)」が送付されるほか、所定の様式をダウンロードして提出することも可能です。申出書を3月末までに年金事務所へ提出すると、4月以降に前納用の納付書が送付されます。

現金による2年前納は、口座振替やクレジットカード納付とは異なり、毎回のお申し出が必要です。2年ごとに自動的に次回以降の2年前納用の納付書が届くものではありませんので、継続して前納を希望する場合は次回も申出書を提出する必要があります。

4月になっても2年前納のお申し出をすることはできますが、お支払い期限は4月末(土日祝日の場合は翌営業日)までとなっています。期限内に納付を完了させる必要があるため、希望する場合はお早めの申し出が必要です。

所得の減少や失業などによって保険料の納付が困難になった場合の制度としては、国民年金保険料の免除制度が設けられており、要件や手続きを確認することができます。

任意の月から年度末まで前納することはできるのか

納付書によるお支払いの場合、任意の月分から当年度末または翌年度末までの国民年金保険料をまとめて前払い(前納)することができます。年度の途中から前納を開始したい場合でも、まとめた期間の保険料を納付することが可能です。

納付書により前納をする場合、通常の納付書ではなく前納用の納付書を使用する必要があります。前納用の納付書がお手元にない場合は専用の納付書を発行する必要があることから、お近くの年金事務所にお問い合わせの上で交付を受けます。

任意の月分からの前納における具体的な納付額は、日本年金機構が案内している「前納金額一覧」で確認することができます。開始する月や前納する期間によって納付額が定められているため、事前に金額を確認した上で手続きを行います。

よくある質問

国民年金の2年前納はどの納付方法が最も割引額が大きいですか?

口座振替による2年前納が最も割引額が大きく、令和8年度における割引額は17,370円です。現金納付およびクレジットカード納付による2年前納の割引額は16,010円となっています。

口座振替による令和8年度の2年前納納付額は417,150円であり、クレジットカード納付や現金納付の納付額である418,510円よりも低い納付額に設定されています。

2年前納を一度申し込むと次回以降も自動的に更新されますか?

口座振替とクレジットカード納付による2年前納は、辞退の申出がない限り次回以降も自動的に2年分の保険料が口座振替または立替納付されます。

これに対し、現金(納付書)納付による2年前納は自動更新されず、毎回のお申し出が必要です。納付書払いの場合は2年ごとに自動で納付書が届くわけではないため、次回の前納時にも改めて申出書を年金事務所に提出する必要があります。

2年前納の手続きは街角の年金相談センターの窓口でできますか?

街角の年金相談センターの窓口では、国民年金保険料の2年前納に関する申出書の提出や手続きを行うことはできません。

書面で手続きを行う場合は年金事務所の窓口に提出するか、郵送にて年金事務所に提出する必要があります。また、口座振替の場合は金融機関(郵便局を含む)の窓口や、マイナポータルを経由した「ねんきんネット」からの電子申請も利用できます。

現金納付で2年前納をする場合の申込時期と納付期限はいつですか?

現金納付による2年前納の事前申出書は毎年2月1日から受付が開始され、申出書は3月末までに年金事務所へ提出し、納付書の支払期限は4月末(土日祝日の場合は翌営業日)までとなっています。

申出書を3月末までに提出すると4月以降に納付書が送付されます。4月になってからも申し出を行うことは可能ですが、支払期限が4月末(土日祝日の場合は翌営業日)までとなっているため、希望する場合は早めの申し出が必要です。

付加保険料を納めている場合も2年前納で割引になりますか?

付加保険料についても2年前納による割引が適用され、口座振替の場合は9,220円(380円割引)、納付書払いおよびクレジットカード払いの場合は9,250円(350円割引)となります。

付加保険料の毎月納付額は400円であり、2年前納のほかにも1年前納(口座振替4,700円・100円割引、クレジットカード等4,710円・90円割引)や6カ月前納(口座振替2,370円・30円割引、クレジットカード等2,380円・20円割引)で割引が適用されます。