減価償却費 計算ツール

取得価額と耐用年数を入力するだけで、年間償却額と年次スケジュールを自動算出。定額法・定率法(200%定率法)対応。

円
年

※ カスタム耐用年数は下の入力欄で指定可能

耐用年数3年を選んでも、一括償却資産の計算には切り替わりません。選択中の定額法・定率法で試算します。

年

計算した償却費を、帳簿・申告に使うには

まず取得価額・耐用年数・償却方法・使い始めた時期を、帳簿や証憑と照合してください。本ツールは申告書への転記や、翌年以降の固定資産台帳の保存を行いません。

個人事業主で、自分で記帳・申告を続けたい方へ。固定資産の登録と繰り越し管理、必要な申告への対応、サポート範囲、更新後の料金を比べてから選びましょう。会計ソフトの機能・料金・サポートを比較する。法人向け会計と個人向け申告ソフトは分けて確認してください。

売掛金の入金前に事業資金が必要な方へ。資金繰りは別の用事です。入金待ちの請求書がある場合は、請求書買取の仕組み・手数料と利用条件を確認してから検討してください。

減価償却とは?基本のしくみを解説

減価償却とは、建物・車・パソコンなど長期間使用する資産の取得費用を、耐用年数にわたって分割して経費計上する会計処理です。購入年に一括経費にするのではなく、使用期間に応じて少しずつ費用化します。

定額法と定率法

定額法 定率法(200%)
特徴 毎年同じ額を償却 初期に多く、徐々に減少
計算式 取得価額 × 定額法償却率 期首帳簿価額 × 定率法償却率
適用 個人事業主(原則)、建物 法人(届出なしの場合)
メリット 計算が簡単、安定した経費 早期に多く経費計上できる

主な資産の耐用年数

資産 耐用年数
パソコン・タブレット4年
コピー機・プリンター5〜8年
普通自動車6年
軽自動車4年
エアコン6〜13年
金属製事務机・椅子15年
木造建物(事務所)24年
RC造建物(事務所)50年

少額資産の特例

取得価額 処理方法 対象者
10万円未満 全額経費(消耗品費) 全事業者
10万円〜20万円未満 3年均等償却(一括償却資産) 全事業者
2026年3月31日までの取得は30万円未満、同年4月1日以後の取得は40万円未満 業務供用年分・事業年度に全額経費(少額特例。要件の確認が必要) 一定の要件を満たす青色申告者・中小企業者等(年合計300万円上限。法人の短期事業年度は月数按分)

少額特例の対象期間は2029年3月31日までです。個人は国税庁 No.2100「減価償却のあらまし」で取得時期と業務供用年等を、法人は国税庁 No.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の特例」で対象期間内の取得等・事業供用、青色申告・中小企業者等の要件、損金経理と申告明細書添付を確認します。法人の現行の従業員数は400人以下(特定法人300人以下)で、2026年3月31日までの取得等に係る一般基準は500人以下でした。この人数基準を個人へ転用しません。資本関係や貸付用資産等の除外、重複適用の制限もあり、金額だけでは適用を判断できません。一括償却資産の20万円未満・3年は別制度です(法人は国税庁 No.5403「少額資産・一括償却資産」)。原典はいずれも令和8年4月1日現在法令等、2026年11月3日確認。

減価償却の計算例|30万円のパソコンを定額法・定率法で計算してみる

言葉だけだとイメージしにくいので、実際の数字で見てみましょう。取得価額30万円のパソコン(耐用年数4年・1月に購入して年間フル使用)を、定額法と定率法それぞれで4年間償却したスケジュールを比べます。

定額法の場合(毎年同じ額)

定額法は「取得価額 × 定額法償却率」。耐用年数4年の償却率は0.250なので、300,000円 × 0.250 = 毎年75,000円を計上します(使い続ける資産は最終年に帳簿価額1円を残すため、最終年だけ1円少なくなります)。

年償却額期末の帳簿価額
1年目75,000円225,000円
2年目75,000円150,000円
3年目75,000円75,000円
4年目74,999円1円

定率法200%の場合(最初の年に多く)

定率法は「期首の帳簿価額 × 定率法償却率」で計算するため、最初の年ほど償却額が大きくなります。耐用年数4年の定率法償却率は0.500、保証率は0.12499です(償却保証額 = 300,000円 × 0.12499 = 37,497円)。

年償却額期末の帳簿価額
1年目150,000円150,000円
2年目75,000円75,000円
3年目37,500円37,500円
4年目37,499円1円

同じ30万円でも、1年目は定額法75,000円に対して定率法は150,000円と倍の差。利益が大きく出た年に経費を厚く立てたいなら定率法、毎年の経費を安定させたいなら定額法が向いています。なお個人事業主は原則「定額法」で、定率法を使うには税務署への届出が必要です(建物・建物附属設備・構築物は定額法のみ)。

※上のスケジュールは、このページの計算ツールと同じ国税庁の償却率で計算しています。あなたの金額・耐用年数での結果は、ページ上部のツールに入力すればすぐ確認できます。

中古資産は耐用年数が短くなる|「簡便法」の計算方法

意外と知られていませんが、中古で買った資産は法定耐用年数より短い年数で償却できます。その分、毎年の経費を多く取れるので、中古車などを経費にしたい個人事業主は必ず押さえておきたいポイントです。

取得時に法定耐用年数の全部または一部が経過している場合、「簡便法」で耐用年数を計算します。

  • 法定耐用年数を全部経過している場合:法定耐用年数 × 20%
  • 一部だけ経過している場合:(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%

計算結果の1年未満は切り捨て、2年未満になる場合は最低2年とします。

例:4年落ちの中古普通自動車(法定耐用年数6年)
(6年 − 4年)+ 4年 × 0.2 = 2.8年 → 1年未満を切り捨てて耐用年数2年。新車なら6年かけて償却するところ、4年落ちの中古なら2年で償却しきれます。「節税には4年落ちの中古車」と言われるのはこのためです(耐用年数2年・定率法なら初年度にほぼ全額を償却できる)。

減価償却でやりがちな間違い・注意点

  • 年の途中で買ったら「月割り」する:1月に買えば12ヶ月分ですが、10月に買った資産は初年度3ヶ月分(× 3/12)しか償却できません。「買った年に1年分まるごと」は誤りです。
  • 土地は減価償却できない:建物は償却対象ですが、土地は時間が経っても価値が減らないとされ対象外です。土地建物をセットで買った場合は、建物分だけを切り出して計算します。
  • プライベート兼用は「家事按分」が必要:仕事8割・私用2割で使うパソコンなら、償却費の80%だけが経費です。全額を経費にすると否認されることがあります。
  • 償却し切っても帳簿価額1円を残す:使い続けている限り、最後まで償却しても帳簿に「1円(備忘価額)」を残し、完全に0円にはしません。
  • 少額特例は年合計300万円まで:2026年3月31日までの取得は30万円未満、同年4月1日以後の取得は40万円未満です。年分・事業年度の合計枠と要件を確認し、法人の1年未満の事業年度は300万円÷12×月数(1か月未満は切上げ)で限度額を計算します。

フリーランス・個人事業主が減価償却で得するコツ

  • 取得時期と金額を併せて確認する:少額特例は2026年3月31日までの取得は30万円未満、同年4月1日以後の取得は40万円未満です。29万円台のパソコンでも、青色申告などの対象者要件・年合計枠・業務供用等を満たした場合に限り、業務に使い始めた年分の必要経費にできます。
  • 業務で使い始めた時期を確認する:資産を購入しただけでは経費になりません。必要な設備かを検討し、通常の減価償却と少額特例それぞれの条件を確認します。
  • 少額特例は青色申告などの要件を確認する:個人はNo.2100、法人はNo.5408で区分して確認します。白色申告では使えませんが、10万円以上20万円未満の一括償却資産(3年)は別途検討できます。

※個人は2029年3月31日までの取得と業務供用年を、法人は同日までの取得等と事業供用を確認します。詳細は上記の国税庁資料をご覧ください。減価償却が手取りや税額にどう効くかは、手取り計算ツールや所得税計算ツールと合わせて試算できます。

法人設立にかかる費用全体は法人設立コスト シミュレーターで確認できます。確定申告の詳細は確定申告ガイドをご確認ください。

事業供用月数による初年度償却額の調整実務

事業供用月数の選択と入力手順

本計算ツールでは、初年度の事業供用月数を 12 / 11 / 10 / 9 / 8 / 7 / 6 / 5 / 4 / 3 / 2 / 1 の選択肢から指定できます。資産を購入した日ではなく、実際に事業の用に供した月を入力することが重要です。

年の途中で資産を使い始めた場合、初年度の償却額は月割り計算されます。例えば、10月に事業で使い始めた場合は初年度の事業供用月数として 3 を選択することで、年間償却額に 3/12 を乗じた正しい金額が計算されます。

事業で使用を開始した日付や経過期間の正確な算出には、日数計算ツール で期間を確認しておくと入力漏れを防げます。

減価償却費と消費税処理の連携ポイント

取得価額に含まれる範囲と税込・税抜の扱い

本ツールで試算を行う際は、資産の取得価額を正確に入力する必要があります。会計処理で税抜経理を採用している場合は税抜価格を、税込経理を採用している場合は税込価格を取得価額として入力します。

購入時の消費税額や税抜金額の計算確認が必要な場合は、消費税計算ツール を利用して正確な取得価額を算出してから本ツールに入力してください。

固定資産台帳の管理と廃棄時の会計手順

備忘価額1円の管理と台帳記載

耐用年数が経過し、償却を終えた資産であっても、事業で使い続けている間は帳簿価額に 1円(備忘価額)を残して固定資産台帳に記録し続けます。完全に処分・廃棄するまでは 1円 を消さずに管理することが求められます。

将来的に資産を廃棄する場合は、固定資産台帳から除却処理を行い、残っていた 1円 を損金として計上します。

法人成りを見据えた設備投資計画の立て方

耐用年数設定と設備投資の継続管理

本ツールで選択できる耐用年数は 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 10 / 15 / 20 / 22 / 30 / 34 / 39 / 47 / 50 の範囲に対応しています。将来的に事業規模を拡大し、個人事業主から法人への組織変更を検討する場合も、各資産の耐用年数に基づいた年次償却スケジュールをあらかじめ把握しておくことが重要です。

事業の拡大や法人化に伴う費用全体を検討する際は、法人設立コスト シミュレーター を合わせて活用することで、設備投資と設立費用の全体像をあらかじめ把握できます。

台帳を自分で作るか会計ソフトに任せるかの判断

減価償却費の計算は取得した年度だけで終わるものではありません。耐用年数の期間中にわたり、毎年同じ資産の帳簿価額を翌年へと繰り越し、最終的に1円(備忘価額)を残して管理し続ける必要があります。固定資産の管理方法を決める際は、管理の手間と計算の正確性のバランスで判断します。

管理方法 向いている状況 選択のポイント
自分で管理する 対象となる資産が少なく、手動での記録が容易な場合 翌年への繰り越し計算や除却時の処理を正確に行う管理体制が必要です。
会計ソフトに任せる 資産の管理作業を効率化し、計算ミスを防ぎたい場合 初年度の事業供用月数(12 / 11 / 10 / 9 / 8 / 7 / 6 / 5 / 4 / 3 / 2 / 1の選択)による月割りや、償却完了時の1円の記載・廃棄処理が自動化されます。

事業の運用状況に合わせて管理手順を整理しておくことで、毎年の決算手続きをスムーズに進められます。

自分で管理・ソフトに任せる以外の選択肢

上の表は「自分で管理する」「会計ソフトに任せる」の2択で整理していますが、実務ではもう一段階、記帳と申告そのものを税理士に依頼するという選び方があります。固定資産が増えて毎年の繰り越し管理が負担になってきた場合や、本業の稼働時間を優先したい場合は、外部に依頼したときの費用も並べて比較しておくと判断しやすくなります。

税理士へ依頼する場合は、記帳・固定資産の管理・申告のどこまでを含むかと、年間の費用を見積もりで確認してください。

定額法のままで行くか定率法を届出するかの選択

個人事業主は原則として「定額法」で計算しますが、所轄の税務署へ届出書を提出することで「定率法」を選択できます。30万円のパソコンを取得した場合、1年目の償却額は定額法が75,000円、定率法が150,000円となります。定率法を選択した場合は初年度に150,000円を計上できるため、定額法の75,000円と比較して150,000円 − 75,000円 = 75,000円だけ初年度の経費を多く立てることができます。

選択肢 初年度の経費傾向 判断の目安
定額法(原則) 毎年一定の額を計上 毎年の経費と利益を平準化し、安定した収支計画を立てたい場合に向いています。
定率法(要届出) 最初の年に多くの額を計上 当期の利益が大きく出ており、初年度の課税所得を圧縮したい場合に向いています。

当期の利益状況や今後の収支見通しに応じて、定額法のまま運用するか定率法を届け出るかを決定します。

取得時期別の少額特例と通常の減価償却を比較する

少額特例は2026年3月31日までの取得は30万円未満、同年4月1日以後の取得は40万円未満です。29万円台のパソコンも、青色申告などの要件を満たした場合に業務供用年の全額経費にする選択肢があります。年合計300万円の限度額があり、法人の短期事業年度は月数按分です。10万円未満の資産も購入年と決めつけず、業務供用や損金経理などの要件を確認してください。

処理方法 主なメリット 選択すべき状況
即時で全額経費にする 業務供用年分・事業年度にまとめて経費を計上できる 少額特例の取得時期・対象者・業務供用・年合計枠などの要件を満たし、当期の所得とのバランスを検討した場合。法人の短期事業年度は限度額を月数按分します。
耐用年数で減価償却する 翌年以降も安定して経費を計上できる 当期の利益が少なく即時処理の必要がない場合や、赤字を避けて複数年に渡り経費を分散させたい場合に適しています。

年間の合計金額と当期の利益バランスを見極めながら、全額経費化か減価償却かを選択します。

中古資産を選ぶか新品で償却するかの判断軸

中古資産を取得した場合は簡便法が適用され、耐用年数が短くなります。例として、法定耐用年数6年の自動車を4年落ちの中古で購入した場合の耐用年数を算定します。

  1. 法定耐用年数から経過年数を引いた年数:6年 − 4年 = 2年
  2. 経過年数に20%(0.2)を乗じた年数:4年 × 0.2 = 0.8年
  3. これらを合計した年数:2年 + 0.8年 = 2.8年
  4. 1年未満の端数を切り捨てて、耐用年数は2年となります。
購入区分 償却期間の特徴 選択の判断基準
中古資産(例:4年落ち) 耐用年数が2年となり短期間で償却可能 購入初期に経費を集中させて早めに償却を完了させたい場合に有効です。
新品資産(例:6年) 法定耐用年数の期間にわたって分割計上 長期間にわたり毎年安定した経費を計上したい場合に適しています。法人設立コスト シミュレーターなどを活用して将来の組織変更を見据える際にも、長期的な設備投資計画が立てやすくなります。

短期的な経費化を重視するか、長期的な計画性を重視するかによって、中古か新品かの選択肢が変わります。

よくある質問

Q. 定額法と定率法はどちらを選ぶべきですか?

個人事業主は原則として定額法が適用されます。法人は資産の種類により定額法か定率法を選択でき、届出しなければ定率法が自動適用されます。ただし建物・建物附属設備・構築物は2016年4月以降、定額法のみです。定率法は初年度に多く経費計上できるため、利益が大きい年に資産を購入する場合に節税効果が高くなります。例えば取得価額100万円・耐用年数4年の場合、定率法の初年度償却額は50万円(定額法は25万円)です。この計算は国税庁の償却率表に基づいています。

Q. 10万円未満の資産は減価償却が必要ですか?

取得価額が10万円未満(税込経理なら税込、税抜経理なら税抜で判定)の資産は、業務の用に供した年分に全額経費とする扱いがあります。法人は業務供用事業年度の損金経理などの要件を確認します。10万円以上20万円未満は一括償却資産(3年)の選択肢もあります。15万円のプリンターなら各年5万円ずつという例になります。貸付用資産の除外などを含め、個人は国税庁No.2100、法人はNo.5403で確認してください。

Q. 少額特例の30万円・40万円の基準はどう変わりましたか?

少額特例は2026年3月31日までの取得は30万円未満、同年4月1日以後の取得は40万円未満です。個人は一定の要件を満たす青色申告者、法人は青色申告の中小企業者等が対象で、資本金の額だけでは判断できません。年合計300万円が上限(法人の短期事業年度は月数按分)です。28万円のパソコンも取得時期・業務供用・対象者などの要件を満たす場合に限り対象となり、経費にするのは業務に使い始めた年分または事業年度です。白色申告でも10万円以上20万円未満なら一括償却資産(3年)の選択肢があります。ツールは特例の適用可否を自動判定しません。

Q. 耐用年数はどうやって調べますか?

耐用年数は国税庁が公表している「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表で確認できます。主な資産の耐用年数は、パソコン4年、サーバー5年、普通自動車6年、軽自動車4年、事務机・椅子(金属製)15年、木造建物(事務所用)24年、RC造建物(事務所用)50年です。事業内容や資産の材質・構造によって細かく分類されているため、迷った場合は所轄の税務署に確認するのが確実です。

Q. 中古資産の耐用年数はどう計算しますか?

中古資産の耐用年数は「簡便法」で計算します。法定耐用年数をすべて経過している場合は「法定耐用年数 × 20%」、一部経過している場合は「(法定耐用年数 - 経過年数) + 経過年数 × 20%」が適用されます。計算結果が2年未満になる場合は2年とします。例えば法定耐用年数6年の中古自動車を4年落ちで購入した場合、(6 - 4) + 4 × 20% = 2.8年 → 端数切捨てで2年が耐用年数です。この計算は国税庁の耐用年数の取扱い通達に基づいています。