ボーナスの源泉徴収税額|令和8年分の計算方法と税額表の見方

令和8年分の税額表を使った賞与の源泉徴収税額の確認手順

著者: アキスケ

ひと言でわかる

賞与の源泉徴収税額は、原則として前月給与の社会保険料等控除後の金額と扶養親族等の数から算出率を求め、賞与の社会保険料等控除後の金額に掛けて計算します。前月給与の10倍を超える場合や前月給与がない場合は月額表を使います。

令和8年分で税額表が変わった点

会社員が受け取る賞与の明細書を確認した際、毎月の給与と比べて所得税の引かれ方が異なると感じることがあります。賞与から差し引かれる所得税および復興特別所得税の源泉徴収税額は、毎月の給与計算で使われる月額表とは異なり、原則として賞与に対する源泉徴収税額の算出率表を用いて計算されます。この源泉徴収税額表は法令の改正等に応じて改定されるものであり、対象となる年分に応じた正しい表を参照することが実務上の大原則となります。

国税庁が公表している資料において、令和8年分の給与等に対して適用される源泉徴収税額表は、令和7年分以前の給与等に対して使われていた税額表から改定が行われています。給与計算の実務を担当する方や、支給された賞与明細の源泉徴収税額を確認したい従業員の方は、まず参照している資料が令和8年分に対応したものであるかを確認する必要があります。過去の年度の税額表を使って計算を行うと、正しい源泉徴収税額を算出することができません。

公開資料を選ぶときの確認

国税庁や関連機関のウェブサイトには、過去の年度から最新の年度まで複数の源泉徴収税額表が公開されています。賞与の税額計算を行う際には、必ず「令和8年分」と明記された公式資料を選択してください。検索エンジンの検索結果や過去に保存したファイルの中には、令和7年分以前の古い税額表や解説資料が含まれている場合があるため注意が求められます。特に法令改正の年度を跨ぐ時期には、前年度の資料を誤って参照してしまう事例が発生しやすくなります。

実務においては、国税庁のウェブサイトに掲載されている令和8年分 源泉徴収税額表の案内ページや、国税庁が公式に配信している令和8年分 源泉徴収税額表(PDF)を直接確認することが推奨されます。表の表題に「令和8年分」と記載されているか、対象期間が正しく合致しているかをあらかじめ確認することで、計算の取り違えを未然に防止することができます。

所得税の基礎控除の見直しに伴う影響

令和8年分の税額表においては、所得税の基礎控除の見直し等に伴い、各区分の税額や扶養親族等の数の算定方法に変更が加えられています。賞与の計算において適用される算出率表もこの見直しを反映した構造となっており、前月の給与から社会保険料等を控除した金額や扶養親族等の数に応じた税率の区分が令和8年分の基準で再編されています。

税額表の改定は源泉徴収の段階で差し引く税額の基準を見直すものであり、賞与の支給時点での源泉徴収税額に直接反映されます。制度の全体像や基礎控除見直しの詳細な背景については国税庁の公式解説等で案内されていますが、日常の実務や明細確認においては、令和8年分の基準に沿って作成された算出率表を忠実に適用することが最も肝要となります。

賞与の源泉徴収税額が決まる基本構造

賞与に対する源泉徴収税額の計算方法は、毎月支給される通常の給与計算とは大きく異なります。毎月の給与では「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を用い、その月の社会保険料等控除後の給与額と扶養親族等の数から直接税額を導き出します。一方、賞与の場合は賞与そのものの金額だけでなく、「前月の給与」の金額と扶養親族等の数を組み合わせて適用する率を決定し、その率を賞与の金額に掛けて計算します。

このような二段階の仕組みが採られているのは、賞与が毎月定常的に発生するものではなく、数か月分の勤務成果等に対してまとめて支給される性質を持つためです。賞与の金額だけで税率を判定するのではなく、直前である前月の給与水準を基準としてその人の年間所得水準を推計し、適切な税率(率)を算出率表から求めて源泉徴収税額を計算する仕組みになっています。

賞与にかかる源泉徴収税額の役割と年税額との関係

賞与から源泉徴収される所得税および復興特別所得税は、その賞与を受け取った時点で確定する最終的な年税額そのものではありません。源泉徴収はあくまで年間を通じて生じる所得税をあらかじめ概算として分割納付するための前払いの仕組みです。賞与を受け取った際に差し引かれた金額は、その年の1年間に得たすべての給与や賞与を合算し、年末調整または確定申告を行うことによって最終的な所得税額と精算されます。

したがって、賞与の源泉徴収税額を計算・確認する際には、これが最終的な決定額ではなく源泉徴収の段階における計算値であることを認識しておく必要があります。支給明細書に記載された税額を見て疑問が生じた場合でも、それが法令で定められた算出率表の計算手順に従って機械的に求められたものであるかを客観的に確認することが実務上の第一歩となります。

社会保険料等を控除した後の金額を基準にする理由

賞与の税額計算において重要な原則となるのが、額面支給額そのものではなく「社会保険料等を控除した後の金額」を計算の基礎とする点です。所得税の課税対象となるのは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料等として給与や賞与から天引きされた金額を差し引いた後の金額となります。これは社会保険料控除が所得控除の一種として認められているためです。

前月の給与についても、賞与そのものについても、必ず額面支給額から社会保険料等を差し引いた金額を正確に算出した上で、税額表の判定や掛け算を行う必要があります。社会保険料等の控除を反映させずに総支給額のまま表に当てはめてしまうと、適用する率や対象となる金額が異なってしまい、誤った源泉徴収税額が算出される原因となります。

甲欄・乙欄と扶養親族等の数の確認

賞与の源泉徴収税額を計算するにあたり、税額表のどの区分を参照するかを決定する要素として「甲欄・乙欄の区分」と「扶養親族等の数」の二つがあります。これらは給与所得者が勤務先に提出する書類の内容に基づいて厳格に区分されています。

給与計算の担当者は従業員ごとに提出状況を管理しており、明細を確認する従業員側も自身がどちらの欄の適用を受けているかを把握しておくことで、税額の決定理由を正しく理解することができます。

扶養控除等申告書の提出有無と甲欄・乙欄の区分

勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している従業員については「甲欄」が適用されます。主たる給与の支払いを受ける勤務先(本業の会社)にこの申告書を提出している場合、通常の賞与計算では甲欄の算出率表を用いて税率を特定します。甲欄では扶養親族等の数に応じた税率が設定されており、税負担が軽減される仕組みになっています。

一方、扶養控除等申告書を提出していない従業員(副業先や2か所以上から給与の支払いを受けている場合の従たる給与の支払先など)については「乙欄」が適用されます。乙欄の場合、扶養親族等の数に関わらず一律の基準で定められた率が適用されるため、甲欄と比較して高い源泉徴収税額が計算されます。自社で賞与を支給する従業員が甲欄と乙欄のどちらに該当するかは、前月給与の計算時と同様に必ず確認しなければなりません。

令和8年分における扶養親族等の数の区分(0人から7人)

令和8年分の賞与に対する源泉徴収税額の算出率表(甲欄)では、扶養親族等の数が「0人」「1人」「2人」「3人」「4人」「5人」「6人」「7人」までの欄で区分されています。扶養親族等の数が多くなるほど、同じ前月給与の金額区分であっても適用される率が低くなるように設定されています。

ここで用いる扶養親族等の数は、前月に支給された給与の計算において適用された扶養親族等の数と一致させるのが原則です。賞与の支給日直前に家族状況に変化があった場合でも、前月給与の支給時点で会社に申告・適用されていた扶養親族等の数が賞与計算の基準となります。実務上は前月の給与明細や給与台帳に記載されている扶養親族等の数を確認することが重要です。

通常の場合の算出率表の読み方

賞与の源泉徴収税額を計算する通常のケースでは、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率表」を使用します。この表の読み方は一見複雑に見えますが、手順を順番に追っていくことで明確に適用すべき率を特定することができます。

算出率表は、縦軸に「前月の給与から社会保険料等を控除した金額」の範囲が並び、横軸に「扶養親族等の数(甲欄:0人〜7人、および乙欄)」が並ぶマトリクス構造になっています。この二つの条件が交差する位置に記載されているパーセンテージ(率)を読み取ります。

前月給与の社会保険料等控除後の金額を確認する手順

表を読むための最初のステップは、賞与が支給される前月に支払われた普通給与の明細を確認することです。前月の普通給与の支給総額から、前月の給料から控除された社会保険料等(健康保険、厚生年金、雇用保険等)の合計額を差し引きます。この差し引き後の金額を確定させます。

例えば、前月の普通給与から社会保険料等を差し引いた金額が求まったら、その金額が算出率表の縦軸にある金額区分のどこに含まれるかを探します。金額区分は「〇〇千円以上〇〇千円未満」という形式で区切られており、該当する行を特定します。

賞与に対する源泉徴収税額の算出率表の見方

行を特定した後は、横軸の「扶養親族等の数」に合わせて列を選択します。甲欄の適用者であれば、申告されている扶養親族等の数(0人、1人、2人、3人、4人、5人、6人、7人のいずれか)の列を見ます。乙欄の適用者であれば乙欄の列を見ます。

特定した行と列が交わるマス目に書かれている数値が、今回の賞与計算に適用する「賞与の金額に乗ずべき率」となります。この率は百分率(パーセント)で表されており、この数値を賞与の社会保険料等控除後金額に掛けることで、源泉徴収税額が算出されます。なお、手動での確認のほかに、源泉徴収税額の計算支援ツールなどを活用して表の照合作業を効率化することも可能です。

令和8年分PDFの具体例を使った計算手順

ここでは、国税庁が公開している公式資料である令和8年分 源泉徴収税額表(PDF)に実際に掲載されている具体例を用いて、実際の計算手順を一つずつ確認します。公式の例示を用いることで、実務における計算の流れを正確に把握することができます。

この具体例は、給与所得者の扶養控除等申告書を提出している従業員(甲欄)に対して、通常の方法で賞与の源泉徴収税額を計算するケースを説明したものです。

国税庁の令和8年分PDFに掲載された具体例の前提条件

国税庁の令和8年分PDFに掲載された具体例の前提条件は以下の通りです。

  • 賞与支給額:554,000円
  • 賞与から控除する社会保険料等:85,593円
  • 前月中の普通給与の社会保険料等控除後の金額:196,616円
  • 扶養親族等の数:2人(甲欄適用)

計算の手順と検算

第1の手順として、賞与の支給額から賞与から控除する社会保険料等を差し引き、「賞与の社会保険料等控除後の金額」を算出します。

554,000円 − 85,593円 = 468,407円

第2の手順として、前月中の普通給与の社会保険料等控除後の金額(196,616円)と扶養親族等の数(2人)を、令和8年分の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率表」に当てはめます。196,616円は前月給与の金額区分である「143千円以上276千円未満」に該当します。この行と扶養親族等の数「2人」の列が交差する位置にある率は「2.042%」となります。

第3の手順として、賞与の社会保険料等控除後の金額に、特定した率を掛け合わせて税額を計算します。

468,407円 × 2.042% = 9,564.87094円

所得税の計算においては1円未満の端数は切り捨てる規定となっているため、端数である0.87094円を切り捨てます。これにより、最終的な源泉徴収税額は9,564円と確定します。

項目 国税庁令和8年分PDFの具体例数値 実務上の確認ポイント
賞与支給額(額面) 554,000円 支給決定された賞与の総額
賞与から控除する社会保険料等 85,593円 健康保険、厚生年金、雇用保険等の合計
賞与の社会保険料等控除後金額 468,407円 554,000円 − 85,593円 で算出
前月給与の社会保険料等控除後金額 196,616円 前月の給与台帳から確認
該当する前月給与の金額区分 143千円以上276千円未満 196,616円が収まる算出率表の行
扶養親族等の数 2人 前月給与計算時の甲欄の人数
算出率表から求めた率 2.042% 区分と人数の交差位置から特定
計算上の税額(端数処理前) 9,564.87094円 468,407円 × 2.042%
源泉徴収税額(確定値) 9,564円 1円未満の端数切り捨て後の金額

このように、賞与計算においては額面金額から直接税額を求めるのではなく、社会保険料等の控除、前月給与による率の判定、端数処理という一連の手順を踏むことで正確な税額が算出されます。賞与の手取り計算の概要や試算を行いたい場合は、賞与計算ツールや賞与50万円の手取り解説記事なども参考にしてください。

前月給与の10倍を超える賞与の計算

賞与に対する源泉徴収税額の計算では、通常の算出率表を用いる方法のほかに、例外的な計算方法が定められています。その代表例が、「賞与の社会保険料等控除後の金額が、前月の普通給与の社会保険料等控除後の金額の10倍を超える場合」です。

決算賞与などで非常に大きな金額が支給された場合、前月給与に基づく通常の算出率表をそのまま適用すると、実際の年間の所得税負担から大きく乖離してしまうおそれがあります。そのため、国税庁の通達(No.2523 賞与に対する源泉徴収)において、月額表を用いた特別な計算手順が規定されています。

10倍超の判定基準と計算手順

まず実務担当者が行うべき判定は、前月の普通給与の社会保険料等控除後の金額を10倍した金額と、今回の賞与の社会保険料等控除後の金額の比較です。賞与の金額が前月給与の10倍を超えている場合には、算出率表ではなく「月額表」を使用して以下の手順で計算します。

  1. 賞与の社会保険料等控除後の金額を、賞与の計算期間の月数(原則は6、計算期間が6か月を超える場合は12)で割ります。
  2. その割った金額に、前月の普通給与の社会保険料等控除後の金額を加算します。
  3. 加算した金額を「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」に当てはめ、扶養親族等の数に応じた税額を求めます。
  4. その税額から、前月の普通給与について月額表で求められた税額を差し引きます。
  5. 差し引いて残った差額の税額に、賞与の計算期間の月数(6または12)を掛けます。この金額が賞与に対する源泉徴収税額となります。

この計算方法によって、大型の賞与であっても数か月分に均等に分割して給与に上乗せした場合と同等の税額が源泉徴収されることになります。

前月に給与がない場合と計算期間が長い場合

通常の算出率表は「前月に給与の支払いがあること」を前提として設計されているため、前月に給与の支払いが全くない場合や、中途入社等で前月の給与実績が存在しない場合には算出率表を使用することができません。また、賞与の査定・計算期間が通常の半年(6か月)を超える長期に及ぶ場合にも計算式に特別な調整が入ります。

前月に給与の支払がない場合の月額表計算手順

前月に普通給与の支払がない従業員に対して賞与を支給する場合の源泉徴収税額は、月額表を用いて次のように計算します。

  1. 賞与の社会保険料等控除後の金額を、その賞与の計算期間の月数(6または12)で割ります。
  2. 割って算出した金額を「月額表」に当てはめ、該当する扶養親族等の数に応じた税額を求めます。
  3. 月額表から求めた税額に、計算期間の月数(6または12)を掛け合わせます。

前月給与がない場合は加算・控除する前月実績がないため、賞与額を単に月数(6または12)で按分して月額の税額を求めた後、再び月数を掛けて全体の源泉徴収税額を算出するシンプルな構造となっています。

賞与の計算期間が6か月を超える場合の12の適用

賞与の計算期間については、一般的な夏期・冬期の賞与のように計算期間が6か月以内であれば「6」で割って「6」を掛ける計算を行います。しかし、年1回のみ支給される決算賞与など、賞与の計算期間が6か月を超える場合には、計算式において「6」の代わりに「12」を使用します。

計算期間が長いにもかかわらず誤って「6」で除算・乗算を行ってしまうと、1か月あたりの推計額が過大に計算され、月額表において高い税額区分に当てはまってしまうおそれがあります。自社の就業規則や賃金規程において、その賞与の算定期間がどのように定められているかを給与担当者は必ず確認しておく必要があります。

支給のケース 使用する税額表 計算期間の月数 計算の基本方針
通常の賞与(前月給与あり・10倍以下) 算出率表(令和8年分) なし(率を直接乗算) 前月給与と扶養親族等の数で率を特定し、賞与に乗ずる
前月給与の10倍を超える賞与(計算期間6か月以下) 月額表(令和8年分) 6 賞与を6で割り前月給与に加算、月額税額の差額に6を掛ける
前月給与の10倍を超える賞与(計算期間6か月超) 月額表(令和8年分) 12 賞与を12で割り前月給与に加算、月額税額の差額に12を掛ける
前月に給与がない賞与(計算期間6か月以下) 月額表(令和8年分) 6 賞与を6で割り月額表に当てはめ、求めた税額に6を掛ける
前月に給与がない賞与(計算期間6か月超) 月額表(令和8年分) 12 賞与を12で割り月額表に当てはめ、求めた税額に12を掛ける

賞与に該当する支給の考え方と実務確認

国税庁のタックスアンサー(No.2523 賞与に対する源泉徴収)によると、源泉徴収の対象となる「賞与」とは、定期の給与とは別に支払われる給与等であって、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当などの名目に関わらず、実質的に賞与の性質を持つ一時金を広く含みます。

支給名目が「一時金」「特別手当」「精勤手当」「決算手当」などどのような名称であっても、毎月定額で支払われる通常の給与と異なる一時的な支給であれば、賞与としての源泉徴収税額の計算方法を適用しなければなりません。名目だけで判断して誤って月額表による通常の給与計算を行わないよう注意が必要です。

給与担当者向けチェックリスト

給与計算を担当する実務者が、賞与の源泉徴収税額を算出する際に確認すべき一連のチェックポイントを整理します。実務における誤りを防ぐためには、各段階において客観的なデータとの照合を徹底することが求められます。

  • 参照している資料が「令和8年分」の最新の源泉徴収税額表であることを確認したか。
  • 対象となる従業員が扶養控除等申告書を提出しているか確認し、「甲欄」または「乙欄」を正しく選択したか。
  • 前月の普通給与について、額面支給額ではなく社会保険料等を控除した後の適正な金額を把握しているか。
  • 前月給与計算時に適用された扶養親族等の数(0人〜7人)を正確に引き継いでいるか。
  • 今回の賞与について、額面支給額から賞与分の社会保険料等を差し引いた控除後金額を正しく計算したか。
  • 賞与の社会保険料等控除後金額が前月給与の社会保険料等控除後金額の10倍を超えていないか判定したか。
  • 前月に給与の支払いがない場合や10倍超の場合において、計算期間に応じた月数(6または12)を正しく選択して月額表で計算したか。
  • 1円未満の端数切り捨て処理が正確に行われているか。
  • 算出された税額が概算の前払いであり、年税額の確定値ではないことを関係者間で共通認識としているか。

これらの項目を順を追ってチェックすることにより、計算手続き上の不備や適用区分の誤りを防ぐことができます。特に法改正が適用される令和8年分においては、前年度までの計算設定がそのまま引き継がれていないかをシステム面・手計算面の両方から必ず確認してください。

明細を受け取った人が確認する順番

賞与明細を受け取った従業員が、自身の明細に記載された源泉徴収税額の妥当性を確認したい場合には、以下の順番で項目を照合していくことが推奨されます。

まず最初に、自身の扶養控除等申告書の提出状況(甲欄が適用されているか)と、前月の給与明細に記載されていた扶養親族等の数(0人〜7人)を確認します。次に、前月の給与明細から社会保険料等控除後の金額を確認し、令和8年分の算出率表上でどの金額区分に位置しているかを照合します。その上で、賞与明細の総支給額から社会保険料等の合計を差し引いた金額に、該当する率を掛けて計算された税額と、実際の天引き税額がおおむね一致しているかを確認します。

もし前月の給与の10倍を超えるような大型の賞与であったり、前月に休職等で給与の支給がなかったりした場合には、算出率表ではなく月額表を用いた按分計算が行われているため、通常の率による掛け算とは異なる税額が表示されます。明細書の記載内容に不明な点がある場合は、社内の給与担当部署に計算基準や適用区分について確認を申し出るとよいでしょう。

試算ごとの入力条件と表示結果を手元に残す場合は、賞与の比較メモと空欄CSVを使えます。確認したい項目を記録し、入力条件をそろえて再試算するときの控えにできます。

よくある質問(FAQ)

質問:賞与の源泉徴収税額は、その年の最終的な所得税額と同じですか?

いいえ、同じではありません。賞与から差し引かれる源泉徴収税額は、年間を通じて発生する所得税をあらかじめ概算として納付しておくための前払いの金額です。最終的な年税額は、1年間のすべての給与・賞与を合算し、各種の所得控除や税額控除を適用して行う年末調整または確定申告によって確定します。源泉徴収の段階で差し引かれた税額と最終的な年税額との差額は、年末調整等の際に還付または追加徴収によって精算されます。

質問:令和8年分の賞与計算に、令和7年分以前の古い税額表を使用することはできますか?

使用することはできません。令和8年分の税額表は、所得税の基礎控除の見直し等に伴って税額や扶養親族等の数の算定方法が改定されています。令和8年中に支払われる給与や賞与に対しては、必ず令和8年分の源泉徴収税額表を使用しなければなりません。古い年度の税額表を使用すると誤った源泉徴収税額が算出されてしまうため、必ず最新の公式資料を確認してください。

質問:扶養控除等申告書を提出していない場合、賞与の税額計算はどうなりますか?

扶養控除等申告書を提出していない従業員に対して賞与を支給する場合は、「乙欄」が適用されます。乙欄では扶養親族等の数に関わらず一律の基準で定められた率が適用されるため、甲欄と比較して高い源泉徴収税額が差し引かれます。2か所以上から給与を受け取っている場合の副業先などでは乙欄での源泉徴収が行われますが、最終的な税額の精算は確定申告を通じて行われます。

質問:前月の給与が通常月と大きく異なっていた場合、賞与の税額に影響しますか?

はい、影響します。賞与の源泉徴収税額を算出するための率(パーセンテージ)は、原則として前月の給与から社会保険料等を控除した金額に基づいて決定されます。そのため、前月に残業手当が多くて給与が高かった場合や、逆に欠勤控除等で給与が低かった場合には、適用される行の区分が変動し、賞与に掛ける率が高くなったり低くなったりすることがあります。ただし、これも源泉徴収の段階での税率の判定に影響するものであり、最終的な年税額は年末調整等で1年間の総支給額に基づいて精算されます。

質問:前月給与の10倍を超える賞与や前月に給与がない場合の計算で、6と12のどちらを使えばよいですか?

賞与の計算期間が6か月以下である場合は「6」を使用し、計算期間が6か月を超える場合は「12」を使用します。一般的な半期ごとの賞与であれば「6」を用いますが、年1回支給の決算賞与などで算定期間が1年に及ぶような場合には「12」を用いて計算を行います。自社の就業規則や賃金規程に定められた賞与の算定期間を確認した上で、適切な月数を選択してください。

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