給与明細の控除項目一覧と引かれすぎの計算チェック方法

毎月の給料の手取りが少なく控除の内訳を確認したい会社員向け。給与明細から引かれているお金の内訳と計算根拠を知りたい

著者: アキスケ

ひと言でわかる

給与明細の控除欄には健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の社会保険料と所得税・住民税の法定控除が記載され、それぞれ法令の計算式に基づき差し引かれる

毎月の給与明細を確認した際に総支給額と手取り額の差が気になり控除の内訳を確認したい会社員は多い状況にあります。給与明細の控除欄には健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の社会保険料と所得税・住民税の法定控除が記載され、それぞれ法令の計算式に基づき差し引かれます。

給与明細から差し引かれる控除額の根拠を確かめるためには、国税庁の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」やタックスアンサーに定められた計算手順を把握することが基本となります。給与等の収入金額に応じた給与所得控除の算出式や各種所得控除の適用関係を整理することで、控除の仕組みが明確になります。

所得税の計算においては、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて給与所得の金額を算出し、さらに所得控除の額の合計金額を差し引いた上で源泉徴収税額が求められる構造になっています。源泉徴収票の見方を理解しておくことは、控除額が正しく計算されているかを確認する上で極めて重要です。

国税庁が公表する「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」およびタックスアンサー「No.1410 給与所得控除」などの確定した公表資料に基づき、給与所得控除の計算方法や源泉徴収票に記載される各控除項目の仕組みを整理します。

給与所得の源泉徴収票に記載される控除項目にはどのような種類があるのか

給与所得の源泉徴収票には法令に基づき給与から差し引かれる税額や各種控除の金額が体系的に記載されます。国税庁の「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」の調書様式によると、支払金額や給与所得控除後の金額(調整控除後)、所得控除の額の合計金額、源泉徴収税額が基本項目として定められています。

社会保険や各種保険料に関する控除項目としては、社会保険料等の金額をはじめ、国民年金保険料等の金額、生命保険料の控除額、地震保険料の控除額、旧長期損害保険料の金額などが区分されています。生命保険に関しては生命保険の金額の内訳を記載する欄も設けられています。

人的控除に関する項目としては、(源泉)控除対象配偶者の有無等や配偶者(特別)控除の額、配偶者の合計所得、控除対象扶養親族等の数(配偶者を除く。)、16歳未満扶養親族の数、障害者の数(本人を除く。)、非居住者である親族の数、特定親族特別控除の額、基礎控除の額が規定されています。扶養親族の状況に応じて適切な控除区分が適用される仕組みとなっています。

税額控除や所得の調整に関する項目としては、住宅借入金等特別控除の額や住宅借入金等特別控除の内訳、所得金額調整控除額が記載されます。住宅借入金等特別控除については、2以上の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けた場合の記載例なども手引に示されています。

区分 源泉徴収票の記載項目 項目の内容
基準金額・税額 支払金額、給与所得控除後の金額(調整控除後)、所得控除の額の合計金額、源泉徴収税額 給与等の支払総額から給与所得控除額および所得控除額を差し引いて算出される金額および税額
社会保険料・保険料控除 社会保険料等の金額、国民年金保険料等の金額、生命保険料の控除額、地震保険料の控除額、旧長期損害保険料の金額 給与から控除された社会保険料や支払った保険料に基づき適用される控除額およびその内訳
人的控除 (源泉)控除対象配偶者の有無等、配偶者(特別)控除の額、配偶者の合計所得、控除対象扶養親族等の数(配偶者を除く。)、16歳未満扶養親族の数、障害者の数(本人を除く。)、非居住者である親族の数、特定親族特別控除の額、基礎控除の額 配偶者や扶養親族、本人の生活状況に応じて所得から差し引かれる控除項目
税額控除・調整額 住宅借入金等特別控除の額、住宅借入金等特別控除の内訳、所得金額調整控除額 算出された税額から直接控除される住宅借入金等の控除額および所得金額の調整額

給与明細に記載されている毎月の控除項目と源泉徴収票の各欄を照合することにより、各種の控除がどのような計算根拠に基づいているかを確認できます。手取り計算を行う上でも、これらの控除項目がどのように反映されているかを把握することが重要です。

令和7年分以降の給与所得控除額はどのように計算されるのか

令和7年分以降の給与所得控除額は、給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)に応じて定められた区分と計算式に基づいて算出されます。この基準は令和7年12月1日に施行され、令和7年分から適用される規定に基づいています。

国税庁タックスアンサー「No.1410 給与所得控除」(令和7年4月1日現在法令等)によると、給与等の収入金額が1,900,000円までの場合、給与所得控除額は650,000円となります。収入金額が1,900,001円から3,600,000円までの区分では「収入金額×30%+80,000円」によって計算されます。

さらに収入金額が3,600,001円から6,600,000円までの区分では「収入金額×20%+440,000円」、6,600,001円から8,500,000円までの区分では「収入金額×10%+1,100,000円」が適用されます。給与等の収入金額が8,500,001円以上の場合には上限額となる1,950,000円が適用されます。

ただし、給与等の収入金額が660万円未満の場合には、計算表にかかわらず、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)により給与所得の金額を求める規定となっています。同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により表を適用します。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額(令和7年分以降)
1,900,000円まで 650,000円
1,900,001円から3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

施行日前の適用関係などの詳細については、国税庁が公表している「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A(令和7年5月)」に示されています。給与所得の金額を正しく求めるためには、自身の支払金額が該当する区分の計算式を適用することが必要です。

令和2年分から令和6年分までの控除額と何が異なるのか

令和2年分から令和6年分までに適用されていた給与所得控除額の算出基準と令和7年分以降の基準との間には、下限額の区分や算定式に明確な相違点が存在します。過去の年分の給与明細や源泉徴収票を確認する際には、該当する年分の算定基準を用いる必要があります。

国税庁の「No.1410 給与所得控除」によると、令和2年分から令和6年分における給与所得控除額は、給与等の収入金額が1,625,000円までの区分で550,000円と定められていました。また、1,625,001円から1,800,000円までの区分では「収入金額×40%-100,000円」という計算式が適用されていました。

一方で、1,800,001円から3,600,000円まで(収入金額×30%+80,000円)、3,600,001円から6,600,000円まで(収入金額×20%+440,000円)、6,600,001円から8,500,000円まで(収入金額×10%+1,100,000円)、8,500,001円以上(1,950,000円(上限))という上位の区分に関しては同様の算式となっています。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額(令和2年分から令和6年分)
1,625,000円まで 550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで 収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

給与明細から控除された金額の計算チェックを行う際は、対象となる給与の支払年分に応じた給与所得控除額の表を適用することが不可欠です。所得税計算の手続きにおいても、年分ごとの基準の違いを正しく踏まえて確認を進める必要があります。

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給与等の収入金額が660万円以上の場合の給与所得金額はどのように算出するのか

給与等の収入金額が660万円以上の場合における給与所得の金額は、国税庁が定める速算表を使用することで算出できます。この速算表は令和2年分以降の所得税計算において共通して用いられる計算手順です。

タックスアンサー「No.1410 給与所得控除」の計算方法・計算式によると、給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)が6,600,000円以上8,500,000円未満の場合には、「収入金額×90%-1,100,000円」の算式によって給与所得の金額を算出します。

給与等の収入金額が8,500,000円以上の場合には、「収入金額-1,950,000円」の算式が適用されます。この計算式により、給与等の収入金額から給与所得控除の上限額である1,950,000円を差し引いた金額が給与所得の金額となります。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得の金額(令和2年分以降の速算表)
6,600,000円以上8,500,000円未満 収入金額×90%-1,100,000円
8,500,000円以上 収入金額-1,950,000円

同一年分の給与所得源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それぞれの支払金額の合計額により上記の速算表を適用します。給与所得の金額が算出されることで、その後の所得控除の額の合計金額を差し引く計算段階へと進めることができます。

給与所得者の特定支出控除の特例を適用できる条件とは何か

給与所得者については、通常の給与所得控除とは別に特定支出控除の特例が認められています。これは給与所得者が支払った一定の特定支出の額が基準を超える場合に適用を受けられる制度です。

国税庁の「No.1410 給与所得控除」および関連コード「1415 給与所得者の特定支出控除」の概要によると、給与所得者のその年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合に、確定申告によりその超える部分の金額をさらに差し引くことができます。

特定支出控除の特例の対象となるのは給与所得のある方です。この特例の適用を受けるためには年末調整ではなく確定申告書を提出する必要があり、所定の計算手順に従って控除額を算出します。

自身の年中の特定支出の額が給与所得控除額の2分の1相当額を超えている場合には、確定申告を通じて所得金額から控除できるため、控除適用前の給与所得控除額を正確に把握しておくことが重要となります。

給与所得の源泉徴収票の記載要領から控除項目の適用関係を確認する方法は何か

給与所得の源泉徴収票に記載された各欄を記載要領と照合することで、適用された各種控除が法令の要件を満たしているかを確認できます。国税庁「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」の第2「給与所得の源泉徴収票等」には、各欄の記載要領が具体的に定められています。

配偶者に関する控除欄では、「(源泉)控除対象配偶者の有無等」「配偶者(特別)控除の額」「配偶者の合計所得」の各項目を確認します。手引には年末調整において配偶者控除の適用を受けた場合の記載例や、控除対象とならない配偶者が障害者控除の適用を受けた場合の記載例、年末調整を行っていない場合の記載例が明記されています。

扶養親族に関する欄では、「控除対象扶養親族等の数(配偶者を除く。)」「16歳未満扶養親族の数」「障害者の数(本人を除く。)」「非居住者である親族の数」「特定親族特別控除の額」の記載内容を点検します。手引では5人以上の控除対象扶養親族及び16歳未満の扶養親族がいる場合の記載方法も具体的に示されています。

その他の控除項目として、「社会保険料等の金額」「国民年金保険料等の金額」「生命保険料の控除額」「地震保険料の控除額」「旧長期損害保険料の金額」「住宅借入金等特別控除の額」「基礎控除の額」「所得金額調整控除額」が漏れなく反映されているかを確認します。源泉徴収計算の整合性を確かめる際にも、これらの法定調書項目の正確な照合が有効です。

よくある質問

令和7年分以降の給与所得控除額の上限額はいくらですか?

令和7年分以降の給与所得控除額の上限は1,950,000円です。給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)が8,500,001円以上の場合にこの上限額が適用されます。

国税庁タックスアンサー「No.1410 給与所得控除」に定められており、令和7年12月1日に施行され令和7年分から適用される基準に基づいています。

給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合はどのように計算しますか?

同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により給与所得控除額の表を適用します。

複数の会社等から給与等の支払いを受けている場合でも、各支払金額を合算した金額を基準として控除額および給与所得の金額を算出する取り扱いとなっています。

特定支出控除の特例を適用するための条件は何ですか?

給与所得者のその年中の特定支出の額の合計額が、給与所得控除額の2分の1相当額を超えることが適用条件となります。

要件を満たす場合、確定申告によりその超える部分の金額をさらに差し引くことができます。対象者は給与所得のある方と定められています。

給与等の収入金額が660万円未満の場合の給与所得金額はどのように求めますか?

給与等の収入金額が660万円未満の場合には、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)により給与所得の金額を求めます。

国税庁の「No.1410 給与所得控除」において、計算表の算式にかかわらず所得税法別表第五に基づいて算出することが規定されています。

16歳未満の扶養親族がいる場合も源泉徴収票に記載欄がありますか?

給与所得の源泉徴収票には「16歳未満扶養親族の数」および「16歳未満の扶養親族」の記載欄が設けられています。

国税庁「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」の調書様式および記載要領に定められており、5人以上の控除対象扶養親族及び16歳未満の扶養親族がいる場合の記載例なども示されています。

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