給与所得控除がいくらか

手取り計算の中身を知りたい会社員向け。控除額の求め方

著者: アキスケ

ひと言でわかる

給与所得控除は収入金額に応じた計算式で決まり、上限がある

給与から差し引かれる税金の計算方法や手取りの算出基準を知りたい会社員の方にとって、給与所得控除がどのように決まるのかは把握しておくべき基本事項です。給与所得控除は収入金額に応じた計算式で決まり、上限があります。

所得税の計算において、給与所得の金額は給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出されます。個人事業主の事業所得における必要経費のように、給与所得者に対しては収入金額に応じた一定額の控除が国税庁の定める基準によって規定されています。

手取り額や給与所得の金額を確認する際は、take-home-payの計算ツールなどを活用しつつ、適用される年分の控除額や計算式を正確に把握することが重要です。

給与所得控除額は収入金額に応じていくらになるか

給与所得控除額は、給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)に応じて定められた計算式によって算出されます。所得税における給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算します。

令和7年4月1日現在法令等に基づく令和7年分以降の所得税では、給与等の収入金額に応じた区分が設けられています。給与等の収入金額が1,900,000円までの区分では控除額が650,000円となり、8,500,001円以上の区分では上限額として1,950,000円が適用されます。

令和7年分以降における給与等の収入金額と給与所得控除額の計算式は、次の表の通りです。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
1,900,000円まで 650,000円
1,900,001円から3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

※令和7年分以降の金額は、令和7年12月1日に施行され、令和7年分から適用されます。施行日前の適用関係などについては、令和7年5月の「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A」に記載されています。

令和2年分から令和6年分までの控除額と何が違うか

令和2年分から令和6年分までの所得税における給与所得控除額は、令和7年分以降の基準と比較して適用区分や最低控除額の設定が異なります。令和2年分から令和6年分の基準では、給与等の収入金額が1,625,000円までの区分において控除額が550,000円と定められていました。

また、令和2年分から令和6年分では、給与等の収入金額が1,625,001円から1,800,000円までの区分が設けられており、その計算式は「収入金額×40%-100,000円」となっていました。1,800,001円から3,600,000円までは「収入金額×30%+80,000円」、3,600,001円から6,600,000円までは「収入金額×20%+440,000円」、6,600,001円から8,500,000円までは「収入金額×10%+1,100,000円」であり、8,500,001円以上の上限額は1,950,000円でした。

令和2年分から令和6年分までの給与所得控除額の計算方法は、次の表の通りです。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
1,625,000円まで 550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで 収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

過去の所得税の申告内容や手取り額を確認する際や、income-taxの計算を行う際には、対象となる年分に応じた給与所得控除額の表を適用する必要があります。

収入金額が660万円以上の場合の給与所得はどのように計算するか

給与等の収入金額が6,600,000円以上の場合、給与所得の金額は国税庁が定める速算表を使用して算出することができます。速算表を利用すると、給与所得控除後の給与所得の金額を直接計算できます。

令和2年分以降における速算表では、給与等の収入金額が6,600,000円以上8,500,000円未満の場合、「収入金額×90%-1,100,000円」によって給与所得の金額を求めます。給与等の収入金額が8,500,000円以上の場合には、「収入金額-1,950,000円」によって給与所得の金額を求めます。

給与等の収入金額が660万円以上の場合に使用する速算表(令和2年分以降)は、次の表の通りです。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得の金額
6,600,000円以上8,500,000円未満 収入金額×90%-1,100,000円
8,500,000円以上 収入金額-1,950,000円

ただし、給与等の収入金額が660万円未満の場合には、上記の速算表や計算表にかかわらず、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)により給与所得の金額を求めます。

給与所得の計算手順や手取り額の仕組みを確認する際は、take-home-pay-guideの解説もあわせて参照してください。

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源泉徴収票が2枚以上ある場合はどのように計算するか

同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それぞれの支払金額を個別に計算表へ当てはめるのではなく、それらの支払金額の合計額により給与所得控除の表を適用します。複数の会社から給与の支払いを受けている場合でも、年間の合計収入金額を基準として控除額が決定されます。

複数の会社から給与所得の源泉徴収票が交付されている場合、各源泉徴収票に記載された支払金額の合計額が「給与等の収入金額」となります。合算した支払金額が660万円未満の場合には所得税法別表第五を用い、660万円以上の場合には速算表等を用いて給与所得の金額を算出します。

複数の給与収入がある場合の税額計算や源泉徴収の確認を行う際は、tax-withholdingのツールなどを活用して正確な支払金額の合計額を把握することが求められます。

特定支出控除の特例を利用すると控除額を上乗せできるか

給与所得者については、給与所得控除とは別に特定支出控除が認められています。給与所得者の特定支出控除の特例を利用することにより、一定の要件を満たす特定支出がある場合に給与所得控除額を超える金額をさらに差し引くことができます。

特定支出控除は、給与所得者のその年中の特定支出の額の合計額が、給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合に適用されます。その超える部分の金額について確定申告を行うことで、給与所得の金額の計算においてさらに差し引くことが可能です。

特定支出控除の適用を受けるためには確定申告書の提出が必要です。手続きを行う場合は、根拠法令等である所法28、57の2、同別表第五や国税庁の関連コード1415(給与所得者の特定支出控除)を確認し、tax-returnの案内に沿って申告書を作成します。

平成28年分の給与所得控除額の基準はどうなっていたか

平成28年分の所得税における給与所得控除額は、控除額の上限や区分の設定において現行の基準と異なっていました。平成28年分では、給与等の収入金額が12,000,001円以上の場合に上限額である2,300,000円が適用されていました。

平成28年分の区分では、1,625,000円までが650,000円、1,625,001円から1,800,000円までが収入金額×40%、1,800,001円から3,600,000円までが収入金額×30%+180,000円、3,600,001円から6,600,000円までが収入金額×20%+540,000円、6,600,001円から10,000,000円までが収入金額×10%+1,200,000円、10,000,001円から12,000,000円までが収入金額×5%+1,700,000円、12,000,001円以上が2,300,000円(上限)となっていました。

平成28年分の給与等の収入金額と給与所得控除額の一覧は、次の表の通りです。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
1,625,000円まで 650,000円
1,625,001円から1,800,000円まで 収入金額×40%
1,800,001円から3,600,000円まで 収入金額×30%+180,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額×20%+540,000円
6,600,001円から10,000,000円まで 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,001円から12,000,000円まで 収入金額×5%+1,700,000円
12,000,001円以上 2,300,000円(上限)

年分による控除基準の推移を把握することで、過去の税制改正による給与所得控除額の変動を正しく確認することができます。

よくある質問

給与等の収入金額が660万円未満の場合の給与所得はどのように求めますか?

給与等の収入金額が660万円未満の場合の給与所得の金額は、計算表にかかわらず、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)により給与所得の金額を求めます。

給与等の収入金額が660万円未満の給与所得者に対しては、計算式による直接の計算ではなく、所得税法別表第五に記載された表を用いて給与所得の金額が算出されます。

給与所得控除の上限額はいくらですか?

給与所得控除の上限額は、令和7年分以降および令和2年分から令和6年分の所得税において1,950,000円です。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)が8,500,001円以上の場合に上限額である1,950,000円が適用されます。なお、平成28年分の所得税における上限額は12,000,001円以上で2,300,000円でした。

源泉徴収票が2枚以上ある場合はどのように計算しますか?

同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により給与所得控除の表を適用します。

それぞれの源泉徴収票の支払金額を合算し、その合計額を給与等の収入金額として該当する区分の計算式または別表第五・速算表を適用して給与所得の金額を算出します。

給与所得控除とは別に受けられる特例控除はありますか?

給与所得者については、給与所得控除とは別に特定支出控除が認められています。

給与所得者のその年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合に、確定申告を行うことでその超える部分の金額をさらに差し引くことができます。

令和7年分以降の給与所得控除の最低控除額はいくらですか?

令和7年分以降の給与所得控除における最低控除額は、給与等の収入金額が1,900,000円までの区分に適用される650,000円です。

令和7年12月1日に施行され、令和7年分から適用される基準では、1,900,000円までが650,000円となります。なお、令和2年分から令和6年分までの最低控除額は1,625,000円までで550,000円でした。

所得控除後の給与等の金額の表)により給与所得の金額を求め、660万円以上の場合は速算表等を用いて計算します。

給与収入の換算や計算方法に関する確認には、/tools/salary-converter/のツール等も利用できます。

源泉徴収票が2枚ある場合どのように計算しますか?

同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により給与所得控除の表を適用して計算します。

各源泉徴収票の支払金額ごとに別々に控除額を計算するのではなく、まず源泉徴収票の支払金額をすべて合算し、その合計額を基準に計算式や表を適用します。

合算された合計支払金額に基づいて給与所得控除額および給与所得の金額が算出されるため、複数社から給与を得ている場合も一本化して計算されます。

特定支出控除の特例を受けるには何が必要ですか?

特定支出控除の特例を受けるには、その年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超えていること、および確定申告を行うことが必要です。

この特例は通常の給与所得控除とは別に認められているものであり、給与所得控除額の2分の1相当額を超える部分の金額をさらに差し引くことができます。

特例の適用にあたっては年末調整での処理は行えないため、確定申告書等の様式・手引き等に従って確定申告書および必要な明細書を作成・提出します。

令和7年分以降の給与所得控除はいつから適用されますか?

令和7年分以降の給与所得控除額は、令和7年12月1日に施行され、令和7年分から適用されます。

令和7年4月1日現在法令等において定められており、給与等の収入金額が1,900,000円までの区分における控除額が650,000円となるなど、区分と控除額の改定が行われています。

施行日前の適用関係などの詳細については、「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A(令和7年5月)」において案内されています。