年末調整の控除申告書の書き方と基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除の計算

年末調整の書類提出をする会社員や公務員向け。年末調整の申告書の書き方と所得の見積もり計算方法を知りたい

著者: アキスケ

ひと言でわかる

年末調整では給与所得者の基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書に給与所得の見積額を記入して正確な控除額を算出する

年末調整の書類作成を控えた会社員や公務員は、各種控除申告書に記入する所得金額の見積もりや控除額の算出手順に迷うことがあります。年末調整では給与所得者の基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書に給与所得の見積額を記入して正確な控除額を算出します。

給与所得者が各種の控除の適用を受けるためには、勤務先からその年の最後に給与等の支払を受ける日の前日までに必要な申告書を提出しなければなりません。申告書に記載する合計所得金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算します。

適正な申告を行うためには、給与所得控除額の計算基準や配偶者控除および配偶者特別控除の所得要件を正しく把握することが不可欠です。国税庁の令和7年4月1日現在法令等に基づき、申告書の提出手続き、給与所得控除額の計算方法、配偶者控除額および配偶者特別控除額の判定基準について整理します。

年末調整で配偶者控除等の適用を受けるための手続きと提出期限はいつか

年末調整において配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けようとする場合には、給与の支払者からその年の最後に給与等の支払を受ける日の前日までに申告書を勤務先に提出します。申告書は給与の支払者を経由して、その支払者の源泉所得税の納税地の所轄税務署長に提出することとなっています。

税務署長から提出を求められるまでの間は、提出を受けた給与の支払者が申告書を保存するものとされています。提出する手続きの正式名称は「給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告」です。

年末調整の手続きを適正に行うことで、給与所得者は各種の所得控除の適用を受け、年間の源泉所得税額の過不足を精算することができます。期日までに申告書を勤務先に提出しない場合、年末調整において控除の適用を受けられなくなるため期日の厳守が求められます。

給与所得者が適用を受けられる控除の対象や控除額は、給与所得者本人の合計所得金額および配偶者の合計所得金額に応じて細かく定められています。正確な控除の適用を受けるためには、年間の給与等の収入金額から所得金額を正しく見積もることが前提となります。

令和7年分以降における給与所得控除額の計算方法はどのように変わるか

給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出します。給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて段階的に定められています。

令和7年12月1日に施行され、令和7年分から適用される給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて以下の表のように定められています。ただし、給与等の収入金額が660万円未満の場合には、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)により給与所得の金額を求めます。

給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
1,900,000円まで 650,000円
1,900,001円から3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により上記の表を適用します。2か所以上の勤務先から給与の支払を受けている場合は、すべての支払金額を合算して給与所得控除額を計算しなければなりません。

令和7年分以降は、給与等の収入金額が1,900,000円までの給与所得控除額が650,000円となります。年末調整の申告書を作成する際には、自身が申告する対象年分の区分に応じた控除額の計算基準を用いる必要があります。

令和2年分から令和6年分までの給与所得控除額の基準とはどのような内容か

令和2年分から令和6年分までの給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて6つの区分に分かれて計算されていました。過去の年分の申告や過年度の確認を行う際には、当時の適用基準を参照する必要があります。

令和2年分から令和6年分までの給与等の収入金額に対する給与所得控除額は、次の表の通りに定められていました。給与等の収入金額が660万円未満の場合には、所得税法別表第五により給与所得の金額を求めます。

給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
1,625,000円まで 550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで 収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

令和2年分から令和6年分においては、給与等の収入金額が1,625,000円までの給与所得控除額は550,000円とされていました。同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により適用します。

給与等の収入金額が8,500,001円以上の場合の給与所得控除額は、上限となる1,950,000円が適用されます。年分によって適用される法令の基準が異なるため、申告対象となる年分の区分を正しく確認することが重要です。

給与収入が660万円以上の場合の給与所得の速算表とはどのような算式か

給与等の収入金額が660万円以上の場合の給与所得の金額は、速算表を使用すると算出することができます。速算表を用いることで、収入金額に応じた給与所得の金額を直接導き出すことが可能です。

令和2年分以降における給与等の収入金額が660万円以上の場合の給与所得の金額の速算表は、以下の通りです。

給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得の金額
6,600,000円以上8,500,000円未満 収入金額×90%-1,100,000円
8,500,000円以上 収入金額-1,950,000円

同一年分の給与所得源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により上記の表を適用します。給与等の収入金額が8,500,000円以上の場合、給与所得控除額の上限である1,950,000円を差し引いた金額が給与所得の金額となります。

速算表を用いて算出した給与所得の金額は、申告書に記入する「給与所得者の合計所得金額」の見積額の基準となります。適正な所得税の算出を行うためにも、収入金額に応じた正確な計算が不可欠です。

PR

振込手数料を0円にする方法があります

銀行振込しかできない支払いもカードでOK。ポイントも貯まって、支払いを最大60日先延ばしできます。

ポイント還元あり / 支払い最大60日延長 / 年会費無料

配偶者控除および配偶者特別控除の控除額はどのように判定されるか

配偶者控除および配偶者特別控除の対象となる人は、給与所得者のうち合計所得金額が1,000万円以下の人で、合計所得金額が133万円以下の生計を一にする配偶者がいる方です。給与所得者本人の合計所得金額および配偶者の合計所得金額の双方の区分に応じて控除額が決定されます。

令和7年12月1日に施行され、令和7年分の所得税から適用される配偶者控除額および配偶者特別控除額の表は以下の通りです。所得金額調整控除が適用される場合は、カッコ内の給与等の収入金額に15万円を加えます。

控除区分 配偶者の合計所得金額 【参考】配偶者の収入が給与所得だけの場合の給与等の収入金額 給与所得者の合計所得金額 900万円以下(給与収入 1,095万円以下) 給与所得者の合計所得金額 900万円超950万円以下(給与収入 1,095万円超1,145万円以下) 給与所得者の合計所得金額 950万円超1,000万円以下(給与収入 1,145万円超1,195万円以下)
配偶者控除 58万円以下 1,230,000円以下 38万円 26万円 13万円
配偶者控除(老人控除対象配偶者) 58万円以下 1,230,000円以下 48万円 32万円 16万円
配偶者特別控除 58万円超95万円以下 1,230,000円超1,600,000円以下 38万円 26万円 13万円
配偶者特別控除 95万円超100万円以下 1,600,000円超1,650,000円以下 36万円 24万円 12万円
配偶者特別控除 100万円超105万円以下 1,650,000円超1,700,000円以下 31万円 21万円 11万円
配偶者特別控除 105万円超110万円以下 1,700,000円超1,750,000円以下 26万円 18万円 9万円
配偶者特別控除 110万円超115万円以下 1,750,000円超1,800,000円以下 21万円 14万円 7万円
配偶者特別控除 115万円超120万円以下 1,800,000円超1,850,000円以下 16万円 11万円 6万円
配偶者特別控除 120万円超125万円以下 1,850,000円超1,903,999円以下 11万円 8万円 4万円
配偶者特別控除 125万円超130万円以下 1,903,999円超1,971,999円以下 6万円 4万円 2万円
配偶者特別控除 130万円超133万円以下 1,971,999円超2,015,999円以下 3万円 2万円 1万円
配偶者特別控除 133万円超 2,015,999円超 0円 0円 0円

給与所得者の合計所得金額が900万円以下で、配偶者の合計所得金額が58万円以下(給与等の収入金額が1,230,000円以下)の場合、配偶者控除の控除額は38万円(老人控除対象配偶者の場合は48万円)となります。配偶者の合計所得金額が58万円超95万円以下(給与等の収入金額が1,230,000円超1,600,000円以下)の場合も、配偶者特別控除として同額の38万円が控除されます。

配偶者の合計所得金額が95万円を超えると、控除額は36万円から段階的に減額され、合計所得金額が133万円を超える(給与等の収入金額が2,015,999円を超える)と控除額は0円になります。また、給与所得者本人の合計所得金額が900万円超950万円以下、950万円超1,000万円以下と高くなるにつれて、控除額はそれぞれ逓減します。

控除対象配偶者が非居住者の場合に提出または提示が必要な書類は何か

控除の対象となる配偶者が非居住者である場合には、給与所得者の配偶者控除等申告書を提出する際に「親族関係書類」および「送金関係書類」を給与の支払者に提出または提示する必要があります。ただし、給与所得者の扶養控除等申告書を提出する際に親族関係書類を提出または提示している場合には、配偶者控除等申告書提出時の親族関係書類の提出または提示は必要ありません。

親族関係書類とは、国外居住親族がその納税者の親族であることを証する書類であり、外国語で作成されている場合には翻訳文も必要です。親族関係書類には次の1または2のいずれかの書類が該当します。

  1. 戸籍の附票の写しその他の国または地方公共団体が発行した書類およびその国外居住親族の旅券の写し
  2. 外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類(その国外居住親族の氏名、生年月日および住所または居所の記載があるものに限ります。)

送金関係書類とは、その年における国外居住親族の生活費または教育費に充てるための支払いを、必要の都度、各人に行ったことを明らかにする書類であり、外国語で作成されている場合には翻訳文が必要です。送金関係書類には次の1から3のいずれかの書類が該当します。

  1. 金融機関の書類またはその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその納税者からその国外居住親族に支払いをしたことを明らかにする書類
  2. いわゆるクレジットカード発行会社の書類またはその写しで、そのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等およびその商品等の購入等の代金に相当する額をその納税者から受領したことを明らかにする書類
  3. 電子決済手段等取引業者(電子決済手段を発行する一定の銀行等または資金移動業者を含みます。)の書類またはその写しで、その電子決済手段等取引業者が行う電子決済手段の移転により、その納税者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類

国外に居住する配偶者を控除の対象とする場合は、定められた確認書類を過不足なく揃えて勤務先に提出または提示することが義務付けられています。

給与所得者の特定支出控除の特例を適用するための条件とは何か

給与所得者については、給与所得控除とは別に、特定支出控除が認められています。これは、給与所得者のその年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合に、確定申告によりその超える部分の金額をさらに差し引くことができる特例です。

特定支出控除の特例は年末調整ではなく確定申告を通じて適用を受けます。年間の特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超えている場合には、確定申告書を提出することで給与所得の金額から超過額を控除できます。

特定支出控除の適用を検討する際は、年間の特定支出の総額を集計し、自身の給与所得控除額の2分の1相当額を超えているかどうかを確認することが判断の基準となります。

よくある質問

配偶者控除を受けるための給与所得者本人の所得制限はいくらですか?

給与所得者本人の合計所得金額が1,000万円以下(給与所得だけの場合は給与等の収入金額1,195万円以下)であることが条件です。合計所得金額が1,000万円を超える給与所得者は、配偶者控除および配偶者特別控除のいずれの適用も受けることができません。

なお、所得金額調整控除が適用される場合には、給与等の収入金額のカッコ内の金額に15万円を加えた金額が基準となります。

配偶者控除と配偶者特別控除は配偶者の所得によってどのように分かれますか?

配偶者の合計所得金額が58万円以下(給与収入1,230,000円以下)の場合は配偶者控除が適用され、58万円超133万円以下(給与収入1,230,000円超2,015,999円以下)の場合は配偶者特別控除が適用されます。いずれの控除も生計を一にする配偶者がいる場合に適用対象となります。

給与所得者本人の合計所得金額が900万円以下であれば、配偶者の合計所得金額が95万円以下(給与収入1,600,000円以下)までの範囲において満額となる38万円の控除が受けられます。

令和7年分以降の給与所得控除額の最低額はいくらになりますか?

令和7年分以降における給与等の収入金額1,900,000円までの給与所得控除額は650,000円です。令和2年分から令和6年分までは給与等の収入金額1,625,000円までに対して550,000円でしたが、令和7年12月1日に施行される法令により改定されます。

給与等の収入金額から650,000円を差し引いて給与所得の金額を計算します。ただし、給与等の収入金額が660万円未満の場合には、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)により給与所得の金額を求めます。

源泉徴収票が2枚以上ある場合はどのように計算しますか?

同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により給与所得控除額の表または速算表を適用して計算します。源泉徴収票ごとに別々に控除額を差し引いて計算することはできません。

複数の勤務先からの支払金額をすべて合算した上で給与所得の金額を算出し、申告書に合計所得金額の見積額を記入します。

年末調整の申告書はどこにいつまでに提出しますか?

申告書の提出先は勤務先であり、提出期限はその年の最後に給与等の支払を受ける日の前日までです。給与の支払者を経由して、支払者の源泉所得税の納税地の所轄税務署長に提出することとなっています。

税務署長から提出を求められるまでの間は、提出を受けた給与の支払者が申告書を保存することとされています。

年末調整申告書の正確な記入と確認のまとめ

年末調整において配偶者控除や配偶者特別控除の適用を受けるためには、「給与所得者の配偶者控除等申告書」に給与所得の見積額を正確に記入し、その年の最後の給与等の支払を受ける日の前日までに勤務先に提出することが重要です。

令和7年分以降は、給与所得控除額の計算区分や配偶者控除・配偶者特別控除の判定基準が適用されます。給与所得者本人の合計所得金額が1,000万円以下であり、生計を一にする配偶者の合計所得金額が133万円以下である場合に、区分に応じた控除が適用されます。

給与等の収入金額から給与所得控除額を正しく差し引き、自身と配偶者の合計所得金額を見積もることが適正な税額計算につながります。非居住者である配偶者に係る確認書類の準備など、必要な手続きを漏れなく行い、年間の手取りや税額の適正な精算を行いましょう。

PR

確定申告の書類、来年もまた一から作り直しますか?

毎年おなじ集計と転記をやり直しているなら、個人事業主向けのクラウド申告ソフトに切り替える方法があります。やよいの青色申告 オンラインは、どのプランを選んでも確定申告に必要な機能をひととおり使えます。初年度にかかる費用と、自分が申告作業に使っている時間を並べて比べてみてください。

個人事業主向け / 初年度0円はセルフ・ベーシックプランを2027年3月15日までに申し込んだ場合 / どのプランでも全機能が使えます