雇用保険の基本手当日額の計算方法(令和8年8月1日〜年齢区分別)
離職して失業保険(基本手当)の受給を検討している人向け。失業保険の基本手当が具体的にいくらもらえるのか、年齢区分ごとの計算式と上限額を知りたい
ひと言でわかる
基本手当日額は離職時の年齢区分(30歳未満/30歳以上45歳未満/45歳以上60歳未満/60歳以上65歳未満)ごとに異なる計算式で賃金日額から算出され、上限額も区分ごとに異なる(令和8年8月1日からは45歳以上60歳未満が最も高く9,110円、30歳未満が最も低く7,450円)
雇用保険の基本手当を受給するにあたり、自身が受給できる基本手当日額の具体的な算出方法や受給上限額を正確に把握したいと考えている受給資格者は多く存在します。基本手当日額は離職時の年齢区分(30歳未満、30歳以上45歳未満、45歳以上60歳未満、60歳以上65歳未満)ごとに異なる計算式で賃金日額から算出され、上限額も区分ごとに異なり、令和8年8月1日からは45歳以上60歳未満が最も高く9,110円、30歳未満が最も低く7,450円となります。
雇用保険における基本手当日額とは、受給資格者が基本手当を受給する際に1日あたり支給される金額のことです。厚生労働省が公表した令和8年8月1日からの基準によると、基本手当日額の算出基準となる賃金日額(w)に応じて適用される計算式が細かく定められており、受給資格者の離職時の年齢区分によって適用される計算式および上限額に明確な相違点が設けられています。
離職後の生活設計を立てる上では、受給できる基本手当の金額を確認することに加えて、離職に伴う税務や社会保険の諸手続きを適切に進めることが重要となります。離職後の手取りや税務について確認したい場合は手取り計算ガイドや手取り計算ツールも参考にしてください。
厚生労働省の「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」および「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」に基づき、令和8年8月1日から適用される基本手当日額の年齢区分別計算式、賃金日額ごとの分岐条件、上限額の違い、端数処理の規定を詳しく解説します。
離職時の年齢区分によって基本手当日額の計算式と上限額は異なる
雇用保険の基本手当日額は、基準日における受給資格者の年齢区分によって異なる計算式が適用され、受給できる上限額も年齢区分ごとに個別に定められています。
厚生労働省の資料によると、年齢区分は「30歳未満」「30歳以上45歳未満」「45歳以上60歳未満」「60歳以上65歳未満」の4つに区分されています。基本手当日額は毎年8月に改定が行われており、定められた計算式および各金額は令和8年8月1日から適用されます。
受給資格に係る離職の日のことを「基準日」と定義しており、この基準日における年齢がどの年齢区分に該当するかによって、賃金日額(w)に対する計算式と上限額が決定されます。
基本手当日額の上限額は、45歳以上60歳未満が9,110円で4つの年齢区分の中で最も高く設定されており、30歳未満は7,450円で4つの年齢区分の中で最も低い設定となっています。30歳以上45歳未満の上限額は8,270円、60歳以上65歳未満の上限額は7,830円です。
賃金日額が同一の金額であっても、基準日における年齢区分が異なれば適用される計算式や上限額が異なるため、算出される基本手当日額に差が生じる構造となっています。
30歳未満の受給資格者における基本手当日額の計算式と上限額
基準日において30歳未満である受給資格者の基本手当日額(y)は、賃金日額(w)の金額範囲に応じて定められた計算式により算出され、上限額は7,450円となります。
賃金日額が3,203円以上5,480円未満の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.8w」となります。賃金日額wに対して0.8を乗じた金額が基本手当日額yとして算出されます。
賃金日額が5,480円以上13,490円以下の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.8w − 0.3{(w−5,480)/(13,490−5,480)}w」となります。この区分では、賃金日額が増加するにつれて計算式内の減算項が大きくなる仕組みが組み込まれています。
賃金日額が13,490円超14,900円以下の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.5w」となります。賃金日額wに対して0.5を乗じた金額が基本手当日額yとして算出されます。
賃金日額が14,900円超の場合、基本手当日額は上限額が適用され「y = 7,450円」となります。賃金日額が14,900円を超える場合は、賃金日額の多寡にかかわらず基本手当日額は7,450円に固定されます。この7,450円という上限額は、4つの年齢区分の中で最も低い上限額です。
30歳以上45歳未満の受給資格者における基本手当日額の計算式と上限額
基準日において30歳以上45歳未満である受給資格者の基本手当日額(y)は、賃金日額(w)の金額範囲に応じた計算式によって算出され、上限額は8,270円となります。
賃金日額が3,203円以上5,480円未満の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.8w」となります。賃金日額wに0.8を乗じた金額が基本手当日額となります。
賃金日額が5,480円以上13,490円以下の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.8w − 0.3{(w−5,480)/(13,490−5,480)}w」となります。この範囲における計算式は、30歳未満の区分と同一の算式が適用されます。
賃金日額が13,490円超16,540円以下の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.5w」となります。30歳未満の区分では0.5wが適用される賃金日額の上限が14,900円まででしたが、30歳以上45歳未満の区分では16,540円まで0.5wの計算式が適用されます。
賃金日額が16,540円超の場合、基本手当日額は上限額が適用され「y = 8,270円」となります。賃金日額が16,540円を超える受給資格者については、基本手当日額が一律8,270円となります。
45歳以上60歳未満の受給資格者における基本手当日額の計算式と上限額
基準日において45歳以上60歳未満である受給資格者の基本手当日額(y)は、4つの年齢区分の中で最も高い上限額である9,110円が設定されています。
賃金日額が3,203円以上5,480円未満の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.8w」となります。賃金日額wに対して0.8を乗じて算出します。
賃金日額が5,480円以上13,490円以下の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.8w − 0.3{(w−5,480)/(13,490−5,480)}w」となります。30歳未満や30歳以上45歳未満の区分と同様に、この範囲では共通の計算式が用いられます。
賃金日額が13,490円超18,220円以下の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.5w」となります。この区分では、0.5wの計算式が適用される賃金日額の範囲が18,220円以下まで広く設定されています。
賃金日額が18,220円超の場合、基本手当日額は上限額が適用され「y = 9,110円」となります。賃金日額が18,220円を超える場合、基本手当日額は9,110円となります。この9,110円という金額は、全年齢区分の中で最も高い上限額です。
60歳以上65歳未満の受給資格者における基本手当日額の計算式と上限額
基準日において60歳以上65歳未満である受給資格者の基本手当日額(y)は、他の3つの年齢区分とは異なる独自の計算式が設定されており、上限額は7,830円となります。
賃金日額が3,203円以上5,480円未満の場合、基本手当日額の計算式は他の区分と共通の「y = 0.8w」となります。
賃金日額が5,480円以上12,120円以下の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.8w − 0.35{(w−5,480)/(12,120−5,480)}w」、または「y = 0.05w + (12,120×0.4)」のいずれか低い方の額となります。他の年齢区分では減算部分の係数が0.3であるのに対し、この区分では0.35が用いられ、計算式の分母および乗算部分の基準となる金額も12,120円となっています。
賃金日額が12,120円超17,400円以下の場合、基本手当日額の計算式は「y = 0.45w」となります。他の年齢区分における一定範囲の計算式「y = 0.5w」とは異なり、賃金日額に乗じる数値が0.45となっています。
賃金日額が17,400円超の場合、基本手当日額は上限額が適用され「y = 7,830円」となります。賃金日額が17,400円を超える場合は、基本手当日額は一律7,830円となります。
4つの年齢区分における基本手当日額の上限額と計算式の相違点
令和8年8月1日から適用される基本手当日額について、4つの年齢区分ごとの上限額および賃金日額の適用範囲を比較して整理します。
各年齢区分の基本手当日額の上限額は、45歳以上60歳未満が9,110円で最も高く、次いで30歳以上45歳未満が8,270円、60歳以上65歳未満が7,830円、30歳未満が7,450円となっています。
| 年齢区分(基準日時点) | 基本手当日額の上限額 | 上限額が適用される賃金日額の基準 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円(4区分中で最も低い) | 賃金日額が14,900円超 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 | 賃金日額が16,540円超 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円(4区分中で最も高い) | 賃金日額が18,220円超 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 | 賃金日額が17,400円超 |
各年齢区分における賃金日額(w)に応じた計算式(y)を一覧で対比すると以下のようになります。賃金日額が3,203円以上5,480円未満の範囲においては、4つのすべての年齢区分で「y = 0.8w」の計算式が共通して適用されます。
| 年齢区分 | 賃金日額(w)の区分 | 基本手当日額(y)の計算式 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 3,203円以上5,480円未満 | y = 0.8w |
| 30歳未満 | 5,480円以上13,490円以下 | y = 0.8w − 0.3{(w−5,480)/(13,490−5,480)}w |
| 30歳未満 | 13,490円超14,900円以下 | y = 0.5w |
| 30歳未満 | 14,900円超 | y = 7,450円(上限額) |
| 30歳以上45歳未満 | 3,203円以上5,480円未満 | y = 0.8w |
| 30歳以上45歳未満 | 5,480円以上13,490円以下 | y = 0.8w − 0.3{(w−5,480)/(13,490−5,480)}w |
| 30歳以上45歳未満 | 13,490円超16,540円以下 | y = 0.5w |
| 30歳以上45歳未満 | 16,540円超 | y = 8,270円(上限額) |
| 45歳以上60歳未満 | 3,203円以上5,480円未満 | y = 0.8w |
| 45歳以上60歳未満 | 5,480円以上13,490円以下 | y = 0.8w − 0.3{(w−5,480)/(13,490−5,480)}w |
| 45歳以上60歳未満 | 13,490円超18,220円以下 | y = 0.5w |
| 45歳以上60歳未満 | 18,220円超 | y = 9,110円(上限額) |
| 60歳以上65歳未満 | 3,203円以上5,480円未満 | y = 0.8w |
| 60歳以上65歳未満 | 5,480円以上12,120円以下 | y = 0.8w − 0.35{(w−5,480)/(12,120−5,480)}w、または y = 0.05w + (12,120×0.4) のいずれか低い方の額 |
| 60歳以上65歳未満 | 12,120円超17,400円以下 | y = 0.45w |
| 60歳以上65歳未満 | 17,400円超 | y = 7,830円(上限額) |
退職後の生活設計を立てる上では、基本手当日額の算出だけでなく、健康保険の手続きに関する確認も重要となります。健康保険の切り替えを検討する際は任意継続と国民健康保険の比較や退職時の国民健康保険減免の仕組みを参考にしてください。
基準日の定義と計算結果の1円未満端数処理ルール
基本手当日額を計算する際には、「基準日」の定義および算出された金額の端数処理ルールを正確に理解しておく必要があります。
厚生労働省の資料において、「基準日」とは受給資格に係る離職の日をいうと定義されています。受給資格者が離職した日における年齢に基づいて、該当する年齢区分(30歳未満、30歳以上45歳未満、45歳以上60歳未満、60歳以上65歳未満)が決定されます。
計算式によって算出された基本手当日額の端数処理については、1円未満を切り捨てると定められています。計算過程で生じた小数点以下の端数は切り捨てられ、最終的な基本手当日額は1円単位で確定します。
退職した年に発生する税務上の手続きについても確認しておくことが推奨されます。退職に伴う申告手続きについては退職年の確定申告ガイドを確認してください。
よくある質問
基本手当日額の上限額が最も高い年齢区分はどこですか?
令和8年8月1日以降に適用される基本手当日額の上限額が最も高い年齢区分は、45歳以上60歳未満の9,110円です。
厚生労働省の資料によると、4つの年齢区分の中で45歳以上60歳未満の上限額が9,110円で最も高く、次いで30歳以上45歳未満が8,270円、60歳以上65歳未満が7,830円、30歳未満が7,450円となっています。
基本手当日額の上限額が最も低い年齢区分はどこですか?
令和8年8月1日以降に適用される基本手当日額の上限額が最も低い年齢区分は、30歳未満の7,450円です。
30歳未満の受給資格者は、賃金日額が14,900円を超える場合に上限額である7,450円が適用されます。この金額は4つの年齢区分の中で最も低い上限額の設定となっています。
基本手当日額の計算における「基準日」とは具体的に何を指しますか?
「基準日」とは、受給資格に係る離職の日のことです。
厚生労働省の定義に基づき、離職の日時点における満年齢によって、適用される年齢区分(30歳未満、30歳以上45歳未満、45歳以上60歳未満、60歳以上65歳未満)が判定されます。
計算結果で1円未満の端数が出た場合はどのように処理されますか?
基本手当日額の計算において1円未満の端数が生じた場合は、切り捨てて処理されます。
各計算式によって算出された金額に小数点以下の端数がある場合、1円未満を切り捨てる端数処理の規定が適用されます。
賃金日額が3,203円以上5,480円未満の場合の計算式はどうなりますか?
賃金日額が3,203円以上5,480円未満の場合、すべての年齢区分において基本手当日額の計算式は「y = 0.8w」となります。
30歳未満、30歳以上45歳未満、45歳以上60歳未満、60歳以上65歳未満の4つの年齢区分すべてにおいて、賃金日額wに対して0.8を乗じた金額が基本手当日額yとして算出されます。
令和8年8月1日以降に離職した場合の基本手当日額確認まとめ
令和8年8月1日以降に離職した場合の雇用保険の基本手当日額は、基準日(受給資格に係る離職の日)における年齢区分および賃金日額(w)に基づいて算出されます。
基本手当日額の上限額は年齢区分ごとに異なり、45歳以上60歳未満が最も高く9,110円、30歳以上45歳未満が8,270円、60歳以上65歳未満が7,830円、30歳未満が最も低く7,450円となっています。算出された基本手当日額の1円未満の端数は切り捨てられます。
基本手当日額は毎年8月に改定されており、公表された計算式および金額は令和8年8月1日から適用されます。自身の年齢区分と賃金日額に応じた計算式を確認し、受給できる基本手当日額を正確に把握してください。
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