相続税の申告・納税期限(10か月以内)と遅れた場合の加算税ペナルティ
被相続人が亡くなり遺産を相続した人向け。相続税の申告期限はいつまでかと遅れたときのリスクを知りたい
ひと言でわかる
相続税の申告および納税は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があり、遅れた場合は延滞税や無申告加算税が課される
被相続人が亡くなり遺産を相続したものの、相続税の申告や納税の手続きをいつまでに行うべきか分からず不安を感じている人は少なくありません。国税庁の「No.4205 相続税の申告と納税」(令和7年4月1日現在法令等)によると、相続税の申告および納税は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があり、遅れた場合は延滞税や無申告加算税が課される場合があります。
相続税の手続きにおいては、申告書の提出だけでなく税金の納付までを同一の期限内に完了させることが定められています。期限内に申告や納税を行わなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には、本来納めるべき税金のほかに加算税や延滞税がかかる場合があります。
相続税の申告と納税はすべての相続で発生するわけではなく、取得した財産の価額の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合に必要となります。取得した財産の価額の合計額が遺産に係る基礎控除額の範囲内であれば申告も納税も必要ありません。
申告書の提出先や納付方法、一括での金銭納付が困難な場合の延納や物納といった制度について、国税庁が定める規則を把握しておくことが重要です。期限間際に慌てることのないよう、早い段階から手続きの流れを確認しておく必要があります。
相続税の申告および納税の期限はいつまでか
相続税の申告期限および納税期限は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内です。国税庁の「No.4205 相続税の申告と納税」(令和7年4月1日現在法令等)に定められているとおり、申告書の提出と納税の両方をこの10か月以内という期限内に完了させる必要があります。
具体的な日付の計算例として、例えば1月6日に死亡した場合にはその年の11月6日が申告期限および納税期限になります。申告期限と納税期限は同日であり、申告書の提出のみを行って納税を保留することは認められていません。
相続税の申告および納税の期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限とみなされます。期限当日が税務署や金融機関の休業日に該当する場合であっても、直後の平日までに申告書の提出および納付を完了させれば期限内の手続きとして扱われます。
申告期限までに申告をしなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかる場合があります。手続きの遅れは余分な税負担の発生につながるため、死亡を知った日の翌日から10か月以内という期限を守ることが求められます。
相続税の申告書はどこへどのような方法で提出するか
相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署です。財産を取得した相続人自身の住所地を所轄する税務署ではありません。
申告書の提出方法としては、インターネットを利用して電子的に手続きを行うe-Tax(電子申告)で提出(送信)する方法があります。e-Taxを利用することで、自宅や事務所から税務署の窓口へ出向くことなく申告データを送信することができます。
書面で申告書を提出する場合には、郵便や信書便による送付、または被相続人の住所地を所轄する税務署の時間外収受箱へ投函する方法により提出することができます。郵便等で送付する場合は、通信日付印などを考慮して期限に間に合うよう発送する必要があります。
申告書の提出先を相続人の住所地の所轄税務署と誤認すると手続きが滞る要因となります。被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署をあらかじめ確認し、適切な方法で提出手続きを行う必要があります。
相続税の納付方法にはどのような種類があるか
相続税の納付方法には、電子納税、クレジットカード納付、金融機関または税務署の窓口での納付という3つの主な方法があります。いずれの方法を選択する場合でも、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内の期限までに納付を完了させる必要があります。
電子納税は、自宅や事務所などからインターネット等を利用して納付する方法です。税務署や金融機関の窓口に出向くことなく納付手続きを行うことができます。
クレジットカード納付は、インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者へ納付の立替払いを委託する方法です。納付の委託は納付受託者が運営する専用のWeb画面により行います。クレジットカード納付では納付税額に応じた決済手数料がかかり、この決済手数料は国の収入になるものではありません。また、金融機関や税務署の窓口ではクレジットカードによる納付はできません。
金融機関または税務署の窓口での納付は、金融機関または所轄税務署の窓口で現金に納付書を添えて納付する方法です。納付書は税務署または所轄税務署管内の金融機関に用意されています。金融機関に納付書がない場合には所轄税務署へ連絡して入手します。納付書の記入方法は納付書の裏面を参照し、住所、氏名、税額、申告書を提出した税務署名など、必要事項の記入漏れがないよう注意して記入します。
| 納付方法 | 手続場所・手段 | 手数料・持参物 | 主な注意事項 |
|---|---|---|---|
| 電子納税 | 自宅や事務所等(インターネット利用) | 不要 | 期限内にインターネット等を通じて納付手続を完了させる必要があります。 |
| クレジットカード納付 | 専用Web画面(インターネット利用) | 納付税額に応じた決済手数料(国の収入ではない) | 金融機関や税務署の窓口ではクレジットカード納付ができません。 |
| 金融機関・税務署窓口納付 | 金融機関または所轄税務署の窓口 | 現金および納付書 | 納付書に住所、氏名、税額、提出先税務署名等の記入が必要です。 |
一括納付が難しい場合はどのような制度を利用できるか
税金は金銭で一度に納めるのが原則ですが、相続税については特別な納税方法として延納と物納の制度が用意されています。相続税額が多額となり一括納付が困難な場合には、これらの制度の適用を検討することができます。
延納とは、何年かに分けて金銭で納める制度です。一度に金銭で全額を納めることが困難な場合において、年分割で納付を行う方法となります。
物納とは、相続などで取得した財産そのもので納める制度です。延納によっても金銭で納付することが困難な事由がある場合などに、金銭に代えて取得財産そのものを国に納めます。
延納や物納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。期限までに申請手続きを行わない場合はこれらの特別な納税方法を利用することができなくなるため、事前の準備が不可欠です。
| 制度名 | 納付の形態 | 申請期限 | 適用の条件 |
|---|---|---|---|
| 延納 | 何年かに分けて金銭で納める | 申告書の提出期限まで | 税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。 |
| 物納 | 相続などで取得した財産そのもので納める | 申告書の提出期限まで | 税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。 |
PR
振込手数料を0円にする方法があります
銀行振込しかできない支払いもカードでOK。ポイントも貯まって、支払いを最大60日先延ばしできます。
ポイント還元あり / 支払い最大60日延長 / 年会費無料
どのような場合に相続税の申告と納税が必要になるか
相続税の申告と納税は、相続や遺贈によって取得した財産および相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産(相続時精算課税適用財産)の価額の合計額が、遺産に係る基礎控除額を超える場合に必要です。取得した財産の価額の合計額が遺産に係る基礎控除額の範囲内であれば申告も納税も必要ありません。
財産の価額の合計額を算出する際は、債務などの金額を控除し、加算対象期間内に被相続人から暦年課税に係る贈与により取得した財産の価額を加算します。加算対象期間は、被相続人の相続開始日が令和8年12月31日以前の場合は相続開始前3年以内となります(詳しくはコード4161「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」参照)。
令和6年1月1日以後の贈与により取得した相続時精算課税適用財産については、贈与を受けた年分ごとに、相続時精算課税適用財産の贈与時の価額の合計額から相続時精算課税に係る基礎控除額を控除した残額となります(詳しくはコード4103「相続時精算課税の選択」参照)。
財産の価額の合計額とは、租税特別措置法第69条の4(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)および租税特別措置法第69条の5(特定計画山林についての相続税の課税価格の計算の特例)等を適用しない場合における課税価格の合計額をいいます。これらの特例を適用する前の金額が遺産に係る基礎控除額を超える場合には、相続税の申告手続きを行う必要があります。
| 判定区分 | 財産価額の合計額の基準 | 申告の要否 | 納税の要否 |
|---|---|---|---|
| 基礎控除以下のケース | 遺産に係る基礎控除額の範囲内 | 不要 | 不要 |
| 基礎控除超のケース | 遺産に係る基礎控除額を超える場合 | 必要(10か月以内) | 必要(10か月以内) |
申告や納税が期限に遅れるとどのようなペナルティがあるか
申告期限までに申告をしなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかる場合があります。期限に遅れることや不正確な申告を行うことは附帯税が課される原因となります。
申告期限までに申告書を提出した場合であっても、税金を期限までに納めなかったときは利息にあたる延滞税がかかる場合があります(詳しくはコード9205「延滞税について」参照)。税金の納付が遅れた日数に応じて延滞税が発生するため、申告と同時に納税を完了させることが重要です。
申告期限までに申告を行わなかった場合には無申告加算税が課される場合があり、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には過少申告加算税等の加算税が課される場合があります。本来納付すべき本税に加えて加算税が課されると負担が重くなります。
これらのペナルティを回避するためには、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内という期限内に申告書の提出と納税を完了させることが必要です。遺産分割が確定していない場合であっても、コード4208「相続財産が分割されていないときの申告」等の定めに従って期限内に申告を行う必要があります。
よくある質問
相続税の申告期限が土曜日や日曜日と重なった場合はどうなりますか?
相続税の申告期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限とみなされます。国税庁の「No.4205 相続税の申告と納税」(令和7年4月1日現在法令等)に明記されているとおり、期限の日が休業日である場合は直後の平日が法定の申告期限および納税期限となります。
例えば、10か月後の応当日が日曜日にあたる場合は、その翌日の月曜日が申告書の提出および納税の最終期限となります。ただし、期限直前に慌てることのないよう、休業日にかかわらず余裕を持って手続きを進めておくことが適切です。
相続税の申告書は相続人の住所地を所轄する税務署に出せばよいですか?
相続税の申告書は、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署へ提出します。財産を取得した相続人自身の住所地を所轄する税務署ではありません。
相続人が遠方に居住している場合であっても、申告書の提出先は被相続人の住所地を所轄する税務署となります。窓口へ直接赴くことが難しい場合は、e-Tax(電子申告)による送信や、郵便・信書便による送付、税務署の時間外収受箱への投函といった提出方法を利用できます。
金融機関や税務署の窓口でクレジットカードを使って納税できますか?
金融機関や税務署の窓口では、クレジットカードによる納付はできません。クレジットカード納付を利用する場合は、インターネット上の専用Web画面を通じて納付手続きを行う必要があります。
クレジットカード納付は、国税庁長官が指定した納付受託者へ納付の立替払いを委託する方法であり、納付税額に応じた決済手数料がかかります。この決済手数料は国の収入になるものではありません。窓口で納付する場合は、現金に納付書を添えて納付する方法をとる必要があります。
取得した財産の価額が遺産に係る基礎控除額の範囲内でも申告は必要ですか?
取得した財産の価額の合計額が遺産に係る基礎控除額の範囲内であれば、申告も納税も必要ありません。基礎控除額を超えない場合は、税務署に対して申告書を提出する義務は発生しません。
ただし、財産の価額の合計額とは、小規模宅地等の特例(租税特別措置法第69条の4)や特定計画山林の特例(租税特別措置法第69条の5)等を適用しない場合における課税価格の合計額をいいます。特例を適用する前の金額で基礎控除を超えている場合は申告が必要となる点に留意してください。
延納や物納を希望する場合はいつまでに手続きをする必要がありますか?
延納や物納を希望する場合は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。申告期限を過ぎてから延納や物納の申請を行うことは認められません。
延納は何年かに分けて金銭で納める制度であり、物納は相続などで取得した財産そのもので納める制度です。いずれの制度を利用する場合であっても、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内の申告期限までに申請書を税務署へ提出し許可を受ける必要があります。
相続税の申告と納税の手続きを期限内に完了させるための整理
相続税の申告および納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。取得した財産の価額の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署に対して申告書を提出し、税金を納付しなければなりません。
申告期限までに申告をしなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には加算税や延滞税が課される場合があります。また、申告書を期限内に提出した場合でも、税金を期限までに納めなかったときは利息にあたる延滞税がかかる場合があります。
金銭による一括納付が困難な場合であっても、延納や物納の申請書は申告期限までに提出して許可を受ける必要があります。電子納税やクレジットカード納付、e-Taxによる申告など利用可能な納付・申告方法を把握し、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内という期限内に確実に手続きを進めてください。
PR
確定申告の書類、来年もまた一から作り直しますか?
毎年おなじ集計と転記をやり直しているなら、個人事業主向けのクラウド申告ソフトに切り替える方法があります。やよいの青色申告 オンラインは、どのプランを選んでも確定申告に必要な機能をひととおり使えます。初年度にかかる費用と、自分が申告作業に使っている時間を並べて比べてみてください。
個人事業主向け / 初年度0円はセルフ・ベーシックプランを2027年3月15日までに申し込んだ場合 / どのプランでも全機能が使えます