退職金の手取り計算ツール

退職金額と勤続年数を入力するだけで手取り額を即シミュレーション。退職所得控除・所得税・住民税の内訳を表示。役員退職金・障害者退職にも対応。

1日でも1年に切り上げて入力してください

最終更新: 2026年3月22日

退職金にかかる税金とは?

退職金(退職手当等)には所得税・復興特別所得税・住民税の3つの税金がかかります。ただし退職金は長年の勤務に対する功労金としての性格があるため、「退職所得控除」や「1/2課税」「分離課税」という大きな税制優遇が設けられています。例えば勤続20年で退職金800万円を受け取った場合、退職所得控除800万円により税金は0円(全額手取り)になります。

退職金にかかる税額は以下の3ステップで計算します。

  1. 退職所得控除額を求める
  2. 退職所得(課税対象額)を計算する
  3. 所得税・復興特別所得税・住民税を計算する

退職所得控除はいくら?計算方法を解説

退職所得控除は勤続年数に応じて計算されます。勤続年数は1日でも1年に切り上げて計算するのがポイントです。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 × 勤続年数(最低80万円)
20年超800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

障害者になったことが退職の直接の原因である場合は、上記の金額に100万円が加算されます。

勤続年数別の退職所得控除額

勤続年数退職所得控除額
5年200万円
10年400万円
15年600万円
20年800万円
25年1,150万円
30年1,500万円
35年1,850万円
40年2,200万円

退職所得の計算方法(一般・役員・短期退職の違い)

退職所得は退職金から退職所得控除を差し引いた後、原則として1/2にした金額が課税対象です。ただし、勤続5年以下の場合は取り扱いが異なります。

区分勤続年数退職所得の計算
一般退職6年以上(退職金 − 退職所得控除)× 1/2
短期退職(一般)5年以下300万円以下の部分:1/2課税
300万円超の部分:1/2なし(2022年〜)
役員退職6年以上(退職金 − 退職所得控除)× 1/2
役員退職5年以下(退職金 − 退職所得控除)→ 1/2なし

役員等とは、法人の取締役・執行役・監査役・理事・監事などを指します。使用人兼務役員の使用人期間は含みません。

勤続年数別の退職金手取り早見表

一般退職(勤続6年以上)の場合の手取り額の目安です。

退職金勤続10年勤続20年勤続30年勤続40年
500万円約489万円約500万円約500万円約500万円
1,000万円約937万円約979万円約1,000万円約1,000万円
1,500万円約1,369万円約1,431万円約1,500万円約1,500万円
2,000万円約1,777万円約1,858万円約1,946万円約2,000万円
3,000万円約2,558万円約2,688万円約2,818万円約2,904万円

※ 概算値です。障害者退職の加算は含みません。

退職金の相場はいくらもらえる?勤続年数・企業規模別の平均額

退職金の手取りを計算する前に、自分の退職金が相場と比べてどうかを知っておくと有益です。以下は厚生労働省「就労条件総合調査」に基づく退職金の平均額です。

学歴勤続20〜24年勤続25〜29年勤続30〜34年勤続35年以上
大学卒約1,021万円約1,559万円約1,891万円約2,230万円
高校卒約692万円約986万円約1,209万円約1,618万円

退職金制度がある企業は全体の約75%で、大企業ほど支給額が高い傾向があります。中小企業では退職金制度がない場合もあるため、自社の就業規則で確認してください。

退職金額別の手取り額と税金

「自分の退職金だとどのくらい税金がかかる?」という具体的な金額別の手取り額を一覧にしました。

退職金勤続年数退職所得控除税金手取り額
500万円15年600万円0円500万円
1,000万円20年800万円約21万円約979万円
1,500万円25年1,150万円約38万円約1,462万円
2,000万円30年1,500万円約54万円約1,946万円
2,500万円35年1,850万円約72万円約2,428万円
3,000万円35年1,850万円約182万円約2,818万円

退職所得控除の範囲内であれば税金はゼロです。控除額を超えた分も1/2課税+分離課税のため、給与と比べて大幅に税負担が軽くなります。

退職金の税金を減らすにはどうする?3つの方法

  1. 退職日を1日ずらす — 勤続年数は1日でも1年に切り上げ。例: 20年と1日で退職すれば控除が70万円増加(800万→870万円)
  2. iDeCoの受取時期をずらす — iDeCoを先に受け取り、退職金は19年超後に受け取ると、それぞれ別に退職所得控除が使える
  3. 退職所得の受給に関する申告書を必ず提出 — 未提出だと20.42%が源泉徴収。提出すれば正しい(はるかに少ない)税額で済む

退職所得の受給に関する申告書について

退職金を受け取る際に「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出すると、正しい税額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は不要です。

この申告書を提出しなかった場合、退職金の20.42%が一律で源泉徴収されます。退職所得控除を適用した正しい税額は通常これよりはるかに少ないため、確定申告をすれば差額が還付されます。必ず申告書を提出しましょう。

iDeCoと退職金を両方もらうと税金はどうなる?

iDeCo(個人型確定拠出年金)を一時金として受け取る場合も退職所得として扱われ、退職所得控除が使えます。ただし同じ年に退職金とiDeCoを受け取ると、控除枠が重複して合算されるため注意が必要です。

2022年の税制改正により、iDeCoを先に受け取った場合、退職金の退職所得控除から重複期間分が差し引かれます。重複を避けるには、iDeCo受取と退職金受取の間を19年超空ける方法があります(実質的には60歳でiDeCo受取→退職金は退職時に受取など、タイミングの検討が重要です)。

よくある質問

Q. 退職金にかかる税金はいくらですか?

退職金には所得税・復興特別所得税・住民税がかかりますが、退職所得控除によりかなり優遇されています。例えば勤続20年の場合、退職所得控除は800万円で、退職金800万円までは税金がかかりません。勤続30年なら1,500万円まで非課税です。

Q. 退職所得控除の計算方法は?

勤続年数20年以下の場合は「40万円×勤続年数」(最低80万円)、20年超の場合は「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」で計算します。障害者になったことが退職の直接の原因である場合は、さらに100万円が加算されます。

Q. 退職金は確定申告が必要ですか?

「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、退職金から適正な税額が源泉徴収されるため確定申告は不要です。提出しなかった場合は退職金の20.42%が源泉徴収されるため、確定申告で精算すると税金が還付される場合があります。

Q. 勤続年数の端数はどう計算しますか?

勤続年数は1日でも1年に切り上げて計算します。例えば勤続年数が20年と1日であれば21年として計算します。そのため、退職日を1日ずらすだけで退職所得控除が70万円増えることもあります。

Q. 役員の退職金は計算方法が違いますか?

はい。勤続年数5年以下の役員等の場合、退職所得の1/2課税の特例が適用されません。退職金から退職所得控除を引いた全額が退職所得として課税されます。一般の従業員は勤続5年以下でも300万円以下の部分は1/2課税が適用されます。

Q. 退職金500万円の手取りはいくらですか?

勤続15年(退職所得控除600万円)の場合、退職金500万円は控除内に収まるため税金は0円、手取りは500万円(全額)です。勤続10年(控除400万円)の場合、退職所得は(500万−400万)÷2=50万円、税金は約5万円、手取りは約495万円です。

Q. 退職金2,000万円の税金はいくらですか?

勤続30年(退職所得控除1,500万円)の場合、退職所得は(2,000万−1,500万)÷2=250万円。税金は所得税+住民税で約54万円、手取りは約1,946万円です。勤続20年(控除800万円)の場合、税金は約142万円、手取りは約1,858万円になります。

Q. 退職金3,000万円の手取りはいくらですか?

勤続35年(退職所得控除1,850万円)の場合、退職所得は(3,000万−1,850万)÷2=575万円。税金は約182万円、手取りは約2,818万円です。退職金が高額でも、退職所得控除と1/2課税の効果で実効税率は約6%と低く抑えられます。

Q. 退職金と年金はどちらが税金が少ないですか?

一般的に退職金(一時金)の方が税制優遇が大きいです。退職金は退職所得控除後に1/2課税され、他の所得と分離して課税されます。一方、年金(雑所得)は公的年金等控除はありますが、他の所得と合算して累進課税されるため、高所得者ほど退職金の方が有利です。

Q. iDeCoの退職所得控除との関係は?

iDeCo(個人型確定拠出年金)を一時金で受け取る場合も退職所得控除が使えますが、同じ年に退職金とiDeCoを受け取ると控除枠が合算されるため注意が必要です。iDeCoを先に受け取り、その後19年超空けてから退職金を受け取ると、それぞれ別に控除が使える場合があります。

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